2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本・東アジア・世界の文脈における幕末・維新の外交交渉-国際関係の動態分析
Project/Area Number |
11J10889
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福岡 万里子 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 幕末外交史 / 日蘭関係史 / 日独関係史 / 東アジア国際関係史 / 世界史 / プロイセン東アジア遠征 / マルチ・アーカイヴァル・アプローチ |
Research Abstract |
当該年度(以下、昨年度とする)に実施した研究の主な成果は、以下の通りである。 (1)国内・海外での研究発表 : 昨年度は依頼・招待を含め、合計6件の研究発表を行った。うち2件は「日蘭関係史」及び「近代日本の国家観」に関する論集への寄稿予定論文の構想発表であった。海外で行った1件の研究発表は、連携研究者として参加した基盤研究S「ユーラシアの近代と新しい世界史叙述」(研究代表者 : 羽田正教授)とベルリン自由大学のグローバル・ヒストリー研究グループとのジョイント・ワークショップで行ったもので、報告者の博士論文の成果の一部を報告した。(2)共同研究の継続 : 報告者は、1861年に清朝中国とプロイセン使節団の間で行われた条約交渉過程を対象とする共同研究を、天理大学教授村尾進氏と協力して2011年度から開始しているが、昨年度もそのための研究会を定期的に実施した。(3)ドイツでの史料調査 : 2014年1月、基盤研究(B)「ドイツにおける対日外交文書の収集と利用可能性」(研究代表者 : 五百旗頭薫教授)の資金援助を得てベルリンを2週間訪問し、プロイセン枢密文書館及びドイツ連邦文書館において史料調査・収集を行った。調査収集の対象としたのは主に、最初のプロイセン(ドイツ)駐日代表となったマツクス・フォン・ブラントの関係史料である。今回の収集史料には、これまで日本では未確認であった維新期のブラントの書翰を収載する簿冊が含まれ、今後の研究に活用したい。(4)論集への文寄稿 : 2013年6月にベルギー・ゲントで開かれたインド洋海域史に関する国際学会で"German Merchants in the Indian Ocean World : From Early Modern Paralysis to Modern Animation"と題する研究発表を行ったが、同学会の論文集が刊行予定であるため、発表原稿を加筆修正して投稿した。この他、別の論集への寄稿論文の推敲や書評の執筆を行った。 以上の研究はいずれも、これまで当該分野の研究では活用されることの少なかったドイツ語、及びオランダ語の史料と邦語史料を併照し、幕末維新期日本の外交史を東アジア国際関係史・世界史的な文脈に位置づけつつ、新たな角度から考察しようとするものである。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(6 results)