2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J10913
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋川 浩一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 記憶 / 神経活動 / 遺伝学 |
Research Abstract |
研究の目的 記憶形成に関与する神経活動を明らかにする 記憶は、日々の生活で適応的に行動するために必要であると共に、人を人たらしめる人格の形成に必須である。そのため、記憶メカニズムの解明は神経科学で最も重要な課題の一つである。どのような神経活動が記憶形成に関与するかは、未だ明らかでない。本研究の目的は記憶形成に関与する神経活動を解明することである。 "二つの異なる刺激の細胞レベルでの連合が記憶形成に関与する"という仮説をより直接的に検証した。そのためには、味覚刺激で活動した細胞のみを内臓不快感刺激提示時に不活性化しなければならない。CREB-Allatostatinシステムを確立し、これを達成した。 まずCREBとAllatostatin受容体の両方の遺伝子を搭載した単純ヘルペスウイルスの作製を行った様々な条件検討を重ねた結果、十分な力価のウイルスの作製に成功した。 本ウイルスを用いて、味覚刺激で活動した細胞を選択的に内臓不快感刺激提示時に不活性化し、記憶形成への影響を調べた(図5)。ウイルスは扁桃体に局所投与した。味覚刺激提示後にAllatostatinを投与し、ウイルス感染細胞のみを不活性化した上で、内臓不快感刺激を提示した。味覚刺激で活動した細胞のみが、内臓不快感刺激時に不活性化される。Allatostatin投与マウスは、コントロール液投与マウスに比べて記憶成績が低下した。この結果は、味覚刺激と内臓不快感刺激の細胞レベルでの連合が記憶形成に必要であることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りウイルスの作製に成功し、一定の成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
コントロールウイルスを作製して、記憶形成にどのような影響がでるか調べる。
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Research Products
(1 results)