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2011 Fiscal Year Annual Research Report

骨芽細胞内RANKL挙動制御機構に着目した、骨破壊疾患に対する新規創薬標的の探索

Research Project

Project/Area Number 11J11038
Research InstitutionThe University of Tokyo
Research Fellow 青木 重樹  東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
KeywordsRANKL / リバースシグナル / 骨芽細胞 / Grb2 / mTOR
Research Abstract

当研究室における先行研究から、RANKLの細胞内局在は主としてリソソームであることを見出しており、また、リソソームに蓄積されたRANKLは、細胞外からのRANK刺激依存的に細胞表面に放出され、破骨を促進させることを示唆する結果も報告していた。よって、刺激に伴って骨芽細胞内に何らかのシグナルが入力されていると考えられ、その機構解明により創薬標的を見出すことを主眼としている。本年度はその足掛かりを得るため、RANKL-RANK相互作用に伴って発生する骨芽細胞内リバースシグナル発生のメカニズムと、その後の骨芽細胞内イベントを詳細に解析した。
骨芽細胞系マウスモデル細胞のST2細胞にRANK組み換えタンパク質を固相化した刺激剤(RANKビーズ)で刺激を与えた際、RANKLの細胞表面への移行が見られることは当研究室の過去の報告から明らかとなっていたが、加えて、骨芽細胞内にPI3K、mTOR複合体、MAPキナーゼ等の種々のシグナル活性化が、対応するそれぞれのタンパク質のリン酸化により認められた。よって、骨芽細胞にRANKによる刺激を与えた際、リバースシグナルが入力されることが実証された。特に、各種阻害剤を用いた検討から、RANKLの刺激依存的放出過程には、mTOR複合体2(mTORC2)が関与することも明らかにした。
また、RANKL細胞表面直下でリバースシグナルに関与する分子の探索を、RANKLの細胞内ドメインに存在する疎水性に富んだProline rich motif(PRM)に着目して探索した。構造上の特徴から、候補タンパク質をデータベースより探索し、骨芽細胞におけるmRNAの発現パターン、およびRNA干渉法を用いた骨芽細胞におけるリバースシグナル入力の検討から、Grb2の関与が疑われた。実際にGrb2の発現を抑制した際には、上記のシグナル活性化は減弱し、さらに、RANKLの刺激依存的な細胞表面への放出も抑制された。また、Grb2のSH3ドメインとRANKLのPRMとが直接相互作用することも見出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

RANK刺激に伴って、骨芽細胞内でRANKLを起点としたリバースシグナルが発生することを明らかにし、さらに、シグナル入力時に鍵となるアダプタータンパク質Grb2の同定も行うことができた。可能であれば、RANKLとGrb2との相互作用を指標に、RANKLリバースシグナルを軸にした化合物スクリーニングも行いたかったが、そこまでは至れていない。しかし、概ねこれから先の方針が定まったことから、順調に進行していると考える。

Strategy for Future Research Activity

今後、RANKL-Grb2との相互作用を標的とした低分子化合物を探索し、RANKLリバースシグナルに対してアゴニスト作用、アンタゴニスト作用を示すものをスクリーニングしていく必要があると考えている。また、RANKLリバースシグナルの下流でmTORC1の活性化も認められ、この生理的意義も解明し、リバースシグナルの全容解明に努める予定である。特に、骨芽細胞におけるmTORC1活性は、骨形成に寄与するという報告もあるため、細胞生物学的発見のみならず、これまでにない新規骨形成促進薬開発という視点からも、後者の課題は重要であると考えている。

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Published: 2013-06-26  

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