2012 Fiscal Year Annual Research Report
筋内脂肪のエネルギー代謝機序の解析-筋線維タイプによる脂肪合成・取込能の差異-
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11J40017
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水野谷 祥子 (澤野 祥子) 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 骨格筋 / 筋線維 / 筋内脂肪 / ミオシン重鎖 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
本年度(2年目)は、前年度に作出した4種のミオシン重鎖(MyHC)アイソフォーム特異的な抗体に酵素標識(あるいは蛍光標識)を施し、それぞれの抗体を視覚的に識別する分類手法を確立した。 酵素抗体染色については、1次抗体に酵素を標識し基質と反応させ、4種の筋線維タイプを個別に発色させることに成功した。蛍光抗体染色については、1次抗体に蛍光物質(647,594,500,405nm)をそれぞれ標識し(α-MyHC1-647nm,α-MyHC2A-594nm,α-MyHC2X-500nm,α-MyHC2B-405nm)、これらを個別に用いて蛍光抗体染色が可能であることを確認した。さらに、4種の蛍光標識1次抗体を混合して免疫染色を行うことにより、1枚の切片上で4種それぞれのアイソフォームを視覚的に識別することを可能にした。現在、この分類手法を利用して単離直後の筋線維(生細胞)をタイプごとに分取することを試みている。分取された筋線維から得られたRNAをRNA-Seqに供し、筋内脂肪蓄積および合成に関わる因子を探索する予定である。RNA-Seqにより得られた膨大なデータセットの解析手法を習得するため、7月から9月まで2ヶ月間、イギリスの欧州分子生物学研究所-欧州バイオインフォマティクス研究所(EMBL-EBI)に留学し研修を行った。 また、筋内脂肪量の差異を評価するため、単離直後の筋線維をBODIPY493/503にて染色し、脂肪滴の存在を確認した。筋線維によっては脂肪滴をほとんど有していないものも存在しており、系をさらに最適化し定量評価を実施することにより、筋線維タイプと筋内脂肪の蓄積状態において相関の有無が明らかになると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画において、筋線維タイプの分類が必要不可欠であるが、前年度に作出した1次抗体に蛍光物質を標識することにより、当初の計画通り、迅速かつ簡便な筋線維タイプ同定法が確立できた。 この成果は次年度以降の検討を行う上で非常に有益な進捗であったと言える。また、RNA-Seq解析のためにEBML-EBIにてバイオインフォマティクスの基礎を学べたことも大きな成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に確立した分類手法を利用して、単離直後の筋線維(生細胞)をタイプごとに分類し採集する。分取された筋線維からRNAを抽出しRNA-Seqに供する。得られたデータを解析し、筋内脂肪蓄積および合成に関わる因子を探索する予定である。 また、筋内に蓄積している脂肪量を定量化するため脂肪滴の数、面積、蛍光強度などを測定し、筋線維タイプ毎の相関を調べる予定である。
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Research Products
(4 results)