2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本における家族介護支援策の検討 : 高齢者・家族介護者のケアリング関係の視点から
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11J40173
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
杉下 暁子 (齋藤 暁子) お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員RPD
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Keywords | 高齢者介護 / 家族介護 / 家族介護支援 |
Research Abstract |
本研究では研究期間内に、<研究1>家族介護の実態からのニーズの把握、<研究2>現行の家族支援策の検討、<研究3>家族介護支援策の国際比較の3つの研究課題に取り組むものであるが、本年度は、主に<研究1・研究2>の課題に関連し以下の三つの研究活動を行った。 (1)<研究1>国内での家族介護者・高齢者に対するインタビュー調査 家族介護の実態からのニーズの把握のために、東京都A市での、高齢者・家族介護者へのインタビュー調査を行った。研究計画では、東京都内での調査と宮城県での高齢者・家族介護者へ調査と地域間比較を予定していたが、2011年3月11日の震災のため宮城県での調査を断念し、東京都のみでの調査実施となった。主に重度高齢者を対象にした高齢者と家族介護者へのインタビュー調査からは、夫婦間介護の閉鎖性と支援の困難、家族介護者が望む介護支援と要介護者の意向との齟齬など、実態に即した家族介護支援の課題が明らかになった。 (2)<研究1・研究2・研究3>実証研究のための文献調査・先行研究の収集整理 実証研究のための文献調査(2)先行研究の収集整理、国内外の論文検索システムなどを活用し、家族介護におけるケアリングの把握、および家族介護支援策に関する国内外の理論および実証研究を収集し、研究動向をまとめレビューし、国内外の家族介護支援策の実施状況について資料収集を行った。 (3)<研究2>国内の家族介護支援策の状況把握 国内の民間(制度外)家族介護支援策の状況把握として、家族会の代表へのヒアリング調査を行った。ヒアリングからは、市・公という家族支援のあらたな展開の可能性が感じられる一方、家族会の特色と支援につながる人々の特徴との関連や、地域間の支援状況の格差、などの課題も見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、国内でのフィールドワークと文献調査を中心に研究をすすめることができたが、一部研究計画は震災のため実施することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、海外でのフィールドワークの実施を予定している。なお、国内でのフィールドワークについては、2011年の東日本震災により、東北地方で予定していたフィールドワークが実施できなかったため、家族介護支援についての都市部・農村部での地域間比較という課題については、他のフィールドでの調査の実施可能性を鑑みつつ、研究計画の変更も視野にいれて検討する。
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Research Products
(2 results)