2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞成熟過程に見られる転写因子NFLA誘導性DNA脱メチル化機構の解明
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11J55503
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
蝉 克憲 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | エピジェネティクス / DNA脱メチル化 / NFIA / オリゴデンドロサイト |
Research Abstract |
中枢神経系を構成する主要な細胞種であるニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトは、発生過程において共通の神経幹細胞から分化・産生される。しかし、神経幹細胞は発生初期からこれら細胞種への多分化能を持つわけではなく、胎生中期にニューロン、続いてアストロサイト、オリゴデンドロサイトへの分化能を発生段階依存的に獲得することで、多分化能を獲得した神経幹細胞へと成熟する。先行研究から、アストロサイトへの分化能はアストロサイト特異的遺伝子のプロモーター領域における脱メチル化が重要であり、この脱メチル化がNotchシグナルの下流で発現が誘導される転写因子NFIAによって誘導されることが明らかとなった。本年度の研究遂行によって、これまでアストロサイト特異的遺伝子において観察されていた、発生段階の進行に伴うプロモーター領域のDNA脱メチル化が、オリゴデンドロサイトの成熟に関与する転写因子Oliglにおいても同様のメカニズムによって誘導されることを明らかにした。この脱メチル化機構は、転写因子NFIAのプロモーター領域への結合により、DNA維持型メチル化酵素DNMT1の同領域への結合を阻害することによって為されていると推測されるが、未だ詳細なメカニズムの解明には至っていない。
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