2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J56162
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 慶一 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 肝幹細胞 / 発生 / 自己複製 |
Research Abstract |
申請者は、盛んに分裂しながら娘細胞である成熟幹細胞と胆管上皮細胞を産生する胎仔肝幹細胞の自己複製機構の解明を目的として研究を行っている。本研究では、肝幹細胞の自己複製制御候補分子として得た、X染色体上の遺伝子であるBex2の機能解析を目的として実験を行っている。現在以下に示す3つのアプローチを用いてBex2の肝幹細胞における機能解析を行っている。1)Bex2により制御される遺伝子をcDNAマイクロアレイ解析により解析し,その遺伝子群の肝幹細胞における機能を調べる。2)Bex2の肝発生における生理的機能を知るため、Bex2ノックアウトマウスを作製する。3)Bex2相互作用因子を生化学的手法を用いて同定し、。同定された分子群との関係からBex2の細胞内における作用機序を明らかにする。これまでに、1)に関してはBex2が制御しうる遺伝子群の中に肝発生において必須であることが知られているような遺伝子群は確認されなかった一方で、肝細胞系譜においては機能が未知である遺伝子群の発現が確認され、現在これらの遺伝子群の機能解析を行っている。2)関してはノックアウトES細胞を取得し、キメラマウスを作製した。現在交配によりノックアウトマウスの系統を作製している。3)に関しては現在進行中であり、まだ結果は得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、肝幹細胞の自己複製制御候補分子として得た、X染色体上の遺伝子であるBex2の機能解析を目的として実験を行っている。Bex2の生化学的解析は研究計画当初に挙げたようにはいっていないが、一方でEGFPノックインマウスや、マイクロアレイ解析においては肝幹細胞深い知見が得られている。今後の解析結果に期待したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は樹立したノックアウトマウスラインについて詳細に解析し、Bex2の肝発生における生理的機能を明らかにする。また、Bex2により制御される下流遺伝子についても肝幹細胞における機能を解析し、Bex2が制御しうる肝幹細胞における一連のバイオロジーを明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(1 results)