2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯根膜細胞の骨芽細胞分化におけるWNT関連遺伝子発現
Project/Area Number |
11J56252
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Research Fellow |
山田 梓 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / ヒト歯根膜細胞 / 骨芽細胞分化 / WNTシグナル / SFRP |
Research Abstract |
骨再生を目的とした細胞移植において、移植前の細胞に対する骨分化誘導は広く行われているが、そのメカニズムには明らかでない点も多い。そこで我々は、ヒト歯根膜細胞由来間葉系幹細胞(hMSCs)の骨分化誘導時における分化制御因子の探索を行った。 石灰化誘導培地(OIM)により上昇したアルカリフォスファターゼ(ALP)活性は、WNTシグナル・カノニカル経路を選択的に阻害するXAV939により濃度依存的に抑制されたことから、hMSCsの骨芽細胞分化にはWNTシグナル・カノニカル経路が関与することが示唆された。またPCRにより、hMSCsをOIMで培養するとWNTの細胞外アンタゴニストであるsecreted frizzled-related protein 3(SFRP3)の発現は上昇する一方、SFRP4の発現は抑制された。ALP活性はrhSFRP4により抑制され、sisFRP4により上昇したことから、sERP4はhMscsの骨芽細胞分化を抑制すると考えられる。一方、siSFRP3によりALP活性は抑制され、pull-down assayによりSFRP3はノンカノニカル経路の代表的リガンドであるWNT5Aと結合したことからSFRP3はノンカノニカル経路で作用すると考えられる。このことから、SFRP3とWNT5Aが結合してノンカノニカル経路を抑制することにより間接的にカノニカル経路が増強され、hMSCsの骨芽細胞分化を促進する可能性が示された。 今回の結果より、SFRP3およびSERP4はWNTシグナルのカノニカル経路およびノンカノニカル経路を介しhMSCsの骨芽細胞分化を制御することから、SFRP3およびSFRP4は骨分化の制御因子として再生医療に応用できる可能性があるものと期待される。
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Research Products
(3 results)