2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J56412
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
孫 昊旻 京都大学, 工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 正方形断面流路 / 局所ボイド率 / 主流方向平均速度 / オプティカルプローブ / 熱線流速計 / 気泡と渦 / 焼結金属 / 乱流 |
Research Abstract |
正方形断面流路内の鉛直上昇気液2相非等方性乱流に関して以下の実験を行いました。 (1)流れ場対称性の確認 気液混合部である焼結金属を新たに設計し、4つの液流入口にそれぞれ流量計を設置し、流入量を均一にコントロールした上で、まず流路入口正方形断面の対角線上の局所ボイド率分布をオプティカルプローブで計測し、分布が対称的であることを確認した。次に下流計測断面の中心と辺の中心を結ぶ直線上の主流方向平均流速と局所ボイド率分布を熱線流速計でそれぞれ計測し、対称的な分布を得た。流れ場対称性の確認は、以降本流路の詳細な計測に関して必要不可欠である。 (2)気泡運動可視化実験 高速カメラを用いて、下流計測断面の壁面近傍の気泡運動を可視化し、気泡の合体と変形を観察した。また、コーナー部近傍の気泡の変形は大きく、壁面近傍に接近する際に気泡界面が短い時間スケールで壁面に向かって鋭くなることを発見した。この可視化実験によって、コーナー部近傍の気泡と渦の相互作用を確認できた。 (3)液相・気相場計測 気相見かけ速度0.09,0.135,0.18m/sと液相見かけ速度0.75,1.0,1.25m/sの組み合わせ計9流動条件に関して、熱線流速計を用いて正方形断面内の主流方向平均速度、乱流特性値、局所ボイド率、気泡インパクトレートを計測した。全流動条件に関して、局所ボイド率は壁面近傍、特にコーナー部にピークを持つ結果が得られた。またコーナー部近傍の液相は気泡の浮力によって加速され、主流方向平均速度の最大値は正方形断面中心ではなく、コーナー部近傍となる結果が得られた。コーナー部にピークを持つ主流方向平均速度の分布は本研究で初めて得られた正方形断面流路の特徴であり、非常に有意義である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本流路を整備した上で流れ場の対称性を確認し、今後詳細な計測を行う上で重要な礎を築くことができた。また、気相主流方向平均速度を除ぐ、当初計画した液相と気相の多くの項目の詳細な分布をすべて計測することができた。その上、正方形流路の特徴である主流方向平均速度の分布がコーナー部でピークを持つ結果を初めて取得した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は気相主流方向平均速度をオプティカルプローブで計測し、モデリングを行う。正方形断面流路の特徴である第2種2次流れの分布は、モデリングにとって非常に重要である。現在の2本の熱線が直角をなすX型熱線流速計プローブを使用して第2種2次流れを計測していますが、計測精度が低いので、今後は1本の熱線を持つ1型熱線流速計プローブを使用した新しい計測法で第2種2次流れの計測精度の向上を目指す。
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