2011 Fiscal Year Annual Research Report
運動時における活性酸素の代謝および抗酸化物質による制御機構の解明
Project/Area Number |
11J57092
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 将記 早稲田大学, スポーツ科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 老化 / 酸化ストレス / 抗酸化能力 / 身体活動 / 抗酸化サプリメント |
Research Abstract |
酸化ストレスは、蛋白質、脂質ならびにDNAなどを損傷しメタボリックシンドロームをはじめとする種々の疾患の発症に関与することが報告されている。従って、酸化ストレスの予防を目的とした抗酸化物質と運動介入を併用した研究が実施されており、抗酸化物質(特にビタミンE)投与によって安静時ならびに運動時における酸化ストレスが軽減されることが報告されている。一方で、高齢者を対象とした研究は少なく、加齢に伴い抗酸化能力が低下し、酸化ストレスが増大することが報告されている。したがって高齢者を対象にビタミンEサプリメント摂取と運動介入の併用が生体内の酸化ストレス指標に与える影響を検討することは重要であると考えられる。本研究では、身体活動量が少ない高齢者を対象に、対照群、ビタミンE摂取(S)群、ウォーキング(Ex)群ならびにビタミンE+ウォーキング(S+Ex)群の4群を設定し、ウォーキング実践・抗酸化サプリメント摂取介入プログラムの有効性を検証した。高齢者における12週間のビタミンE摂取ならびにウォーキング実践は、安静時における抗酸化能力を高め、酸化ストレスを抑制することを確認した。一方で、ビタミンE摂取とウォーキング実践の相加効果はみられなかった。さらに、DNAの酸化損傷を示す8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)は、12週間のビタミンE摂取ならびにウォーキング実践により有意な変化を示さなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、高齢者を対象とした身体活動や抗酸化サプリメント摂取が生体内における酸化ストレスや抗酸化能力に与える影響について検討した。その結果は、国内外の雑誌に投稿済みであり、国内外での学会でも発表を行ってきた。したがって、研究の進捗状況はおおむね期待通り進展したと自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、身体活動や抗酸化サプリメント摂取が実験動物やヒトの組織(筋肉、免疫細胞など)における酸化ストレス状態にどのような影響を及ぼすのかについて、より基礎的な研究を実施したいと考えている。
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Research Products
(4 results)