2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12045250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
楠見 武徳 徳島大学, 薬学部, 教授 (70015882)
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Keywords | NMRスペクトル / 絶体配置 / カルボン酸 / キラリティー / 光学活性 / スルホキシイミン / 不斉イオウ / スルホキシド |
Research Abstract |
生理活性天然物のほとんどは不斉炭素を持つキラルな分子である。本研究ではキラルな天然分子のキラリティー(絶対配置)をNMRを用いて決定する試みを行った。 キラルなカルボシ酸の絶対配置決定のためのキラル異方性試薬として、以前報告者が開発したフェニルグリシンメチルエステルを使用し、この試薬がα-オキシカルボン酸、またβ-キラルカルボン酸に対して信頼性高く使用できることを証明した。これらのカルボン酸は天然物分子構造に多く含まれており、またカルボン酸を含まない天然物を酸化的変換によりこれらの分子部分を創製できる点で広く応用される事が期待される。 さらに、これまで有効な絶対配置決定が皆無といえる状況であったキラルスルホキシドについて全く新しい方法論を開発した。キラルなスルホキシドは天然物だけではなく、医薬品にも多く見られる官能基である。スルホキシドはアシル化するとプンメラー反応により、不斉中心に関する情報が失われてしまうため、不斉を保持したまま化学変換できる反応が必要とされる。 申請者が「スルホキシイミン法」と名付けた新しい方法は、キラルスルホキシドを立体選択的にスルホキシイミンへと導き、生じたアミノ基にキラル異方性試薬である光学活性メトキシフェニル酢酸をアミド結合させ、それぞれのジアステレオマーのプロトン化学シフトを比較することにより絶対配置を決定するという斬新なものである。これらの反応はワンポット反応で容易に行うことができる。 上で述べた二つの新しい方法論はほとんどの研究機関に常備されているNMRスペクトルを用いる点が特徴的であり、また有効性も高いと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 薮内哲也,楠見武徳: "Phenylglycine methyl ester, a useful tool for absolute configuration determination of various chiral carboxylic acids"Journal of Organic Chemistry. 65巻2号. 397-404 (2000)
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[Publications] B-N.Su,高石喜久,薮内哲也,楠見武徳: "The Structures and Absolute Configurations of Macrophyllic Acids A-E, Five New Rearragned Eudesmane Sesquiterpene Acids from the Bark of Inula macrophylla"Tetrahedron Letters. 41巻14号. 2395-2400 (2000)
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[Publications] 福吉修一,大井高,楠見武徳: "Influence of the Conformation of Methoxy-(2-naphthyl) acetates (2NMA Esters) on Their Chemical Reactions"Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 48巻11号. 1208-1210 (2000)
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[Publications] 安元美奈,馬田慶子,大井高,楠見武徳: "New Terpenoid Components from the Volatile Oil of the Soft Corals Clavuraria viridis and Sarcophyton acutangulum"Journal of Natural Products. 63巻11号. 1534-1536 (2000)