2000 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア出版文化の研究-学問領域として書誌・出版の研究を確立するために-
Project/Area Number |
12054101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
磯部 彰 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90143841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 秀高 埼玉大学, 教養学部, 教授 (30126007)
中嶋 隆藏 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10004061)
関場 武 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (20051691)
栗林 均 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (30153381)
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Keywords | 総括班 / ニューズレター / ナオ・デ・ラ・チーナ / アジア学術セミナー / 国際シンポジウム / 東アジア善本叢刊 / ホームページ |
Research Abstract |
平成12年度の研究活動は、平成13年度に本格化する本研究の組織体制を作るもので,総括班を基軸とする活動が主なものであった。総括班会議は合計3回(仙台、東京)開催し領域代表者の提議を受けて、以下の事項についての協議をし、予定内・予定外の案件について実行に移した。まず、計画研究と公募研究の整合性を図るために、調整班を設けて計画研究を動かすために代表者5名を選出し、計画研究候補代表者を集めて調整班内の組織化を図った。一方、公募研究を幅広く募るために、ポスターを作製して周知を図った。国内外から大きな反響があり、申請資格のない若手研究者などの問い合わせもあったが、将来のことを考えて研究の案内を送ることとした。研究活動が進捗することに相応して、活動状況を広報するためにニューズレター『ナオ・デ・ラ・チーナ』第1号を発刊し、国内各機関等に送付した。第2号は、広報委員会の人選を済ませた後、計画研究・公募研究が確定する平成13年度5月の刊行を目指して、準備を進めている。一方、「東アジア出版文化」の情報の広報と情報交換の促進を図るための一環として、インターネット上にホームページを設けた。 研究発表の場を設けること、及び若手研究者の育成を目指すため、平成13年度8月に「アジア学術セミナー」開催を日本学術振興会に、12月には国際シンポジウムを開くために旧文部省にそれぞれ経費を申請するとともに、総括班内にその準備会を設けた。平成14年及び15年・16年各年度にも、国際研究集会を開催することを決定した。中国及び欧米研究者の参加を募るため、目下、各国の研究者と打合せもしくは、Eメールで連絡を取り合っている。平成13年1月27日には、総括班主催による計画研究候補代表者会議を東京の印刷博物館で開催し、同時に評価委員会の竺沙雅章先生による東アジア出版文化に関する講演会を催した(「遼蔵経について」)。本研究は東アジアの善本を保存かつ共有するために、東アジア善本叢刊の出版を視野に入れている。その口火を切るために、平成12年度に計画通り『唐僧取経図冊』(元代)を研究論文付で複印することとし、東京二玄社を出版元として印刷に入った。第2号以下は、次年度に人選する出版委員会に委任する方針を決めた。善本保存とその利用の面では、奈良絵本『絵合わせ』巻5を発見・購入し、現存唯一の完本とし、広く社会に提供できるようにした。また金沢市立図書館蔵本と同じ加賀白山版の大般若経残巻を発見し、地方印刷資料の標本として購入し、ホームページに紹介している。
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