2002 Fiscal Year Annual Research Report
地球史におけるプレート・マントル・核相互作用とマグマ
Project/Area Number |
12126202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河村 雄行 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00126038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
圦本 尚義 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80191485)
丸山 茂徳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50111737)
廣瀬 敬 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50270921)
神崎 正美 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (90234153)
加藤 工 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (90214379)
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Keywords | シリカ / ダイヤモンドセル / 40億年前の大陸地穀 / 花崗閃緑岩質大陸 / 固体地球変動 / 表層環境変動 / 浅海域生命の出現 |
Research Abstract |
今年度は、高温高圧力実験による地球深部物質に関する研究、地質調査および採取された岩石試料の化学分析から太古代の火成作用に関する研究を行った。高温高圧力実験は、主にシリカの高圧相転移に着目し、その相転移境界を明らかにした。また、放射光施設スプリング8において、ダイヤモンドアンビルセルを用いたX線その場観察実験を行った。圧力温度条件は地球のマントルの底を超える151万気圧・2500ケルビンまでの発生と回折データの取得に成功した。結果、ルチル構造は約70万気圧・1600ケルビンで強弾性転移を起こし、CaCl2-typeの構造へ変化し、さらに124万気圧・2400ケルビンでa-PbO2-typeの構造へ転移することを明かにした。例えば、沈み込んだ玄武岩等、シリカに富む岩石中では、シリカはマントルの底でa-PbO2-typeの構造をとしていることがわかった。 地質調査に関しては、カナダ北西部アカスタ片麻岩(40億年前)、オーストラリアピルバラ地塊のパノラマ(35億年前)、クリーバビル(30億年前)、ハマースレー(26億年前)、ツリークリーク(25億年前)、ダッククリーク(23億年前)を、地球史におけるプレート/マントルの変動をはじめとした固体地球変動とそれに伴う表層環境変動の相互作用の解明すを目指した。アカスタ片麻岩の詳細な地質調査と年代測定の結果、従来、世界最古の岩石とされてきた40億年前のトーナル岩質片麻岩よりもさらに古い、花崗閃緑岩や閃緑岩質片麻岩が存在することが分かった。この結果は、世界最古の大陸地殼を形成したマグマは、花崗閃緑岩・閃緑岩質であり、太古代以降大量に形成される花崗岩質大陸地殻が、この時代から作られはじめたことを示す。ピルバラ地塊の5つの地域の研究では、花崗岩質マグマの形成に伴う大陸地殼の成長と発達が、表層環境に影響を及ぼし、生命の発達の場を広げていったことが分かった。そして、35億年前には既に、深海底だけでなく、海面近くまで生命活動の場が広がっていた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ono, S., Hirose, K., Murakami, M., Isshiki, M.: "Post-stishovite phase boundary in SiO2 determined by in situ X-ray determination"Earth and Planetary Science Letters. 197. 187-192 (2002)
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[Publications] Murakami, M., Hirose, K., Ono, S., Ohishi, Y.: "Stability of CaCl2-type and a-PbO2-type SiO2 determined by in situ X-ray observations"Geophysical Research Letters. 30. 1881029/2002GL016722 (2003)
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[Publications] Komiya, T., Hayashi, M., Maruyama, S., Yurimoto, H.: "Intermediate-P/T type Archean metamorphism of the Isua supracrustal belt : implications for secular change of geothermal gradients at subduction zones and for Archean plate tectonics"American Journal of Science. 302. 804-826 (2002)
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[Publications] Komiya, T., Maruyama, S., Hirata, T., Yurimoto, H.: "Petrology and geochemistry of MORB and OIB in the mid-Archean North Pole region, Pilbara craton, Western Australia : implications for the composition and temperature of the upper mantle at 3.5 Ga"International Geology Review. 44. 988-1016 (2002)
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[Publications] Maruyama, S., Isozaki, Y., Nakashima, S, Windley, F.B: "History of the Earth and Life""Geochemistry and the Origin of Life", Nakashima, S. et al. eds., Tokyo, Universal Academy Press. 285-325 (2002)
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[Publications] Kitajima, K., Utsunomiya, S., Maruyama, S.: "Physico-chemical environment of and Archean Mid-Ocean Ridge : estimate of seawater depth and hydrothermal fluid composition""Geochemistry and the Origin of Life", Nakashima, S. et al. eds., Tokyo, Universal Academy Press. 179-202 (2002)
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[Publications] Nakashima, S., Maruyama, S., Brack, A., Windley, F.B.編: "Universal Academy Press"Geochemistry and the Origin of Life. 355 (2002)