2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12136201
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小室 一成 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30260483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣井 透雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30311624)
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Keywords | P19CL6 / BMP / TAK1 / Smad / Csx / Nkx2.5 / 心筋分化 |
Research Abstract |
マウスの胎生期癌細胞であるP19細胞より単離されたP19CL6細胞は、ジメチルスルフォキシド(DMSO)存在下での培養でほとんどの細胞が自発的に拍動する心筋に分化し、心筋特異的遺伝子の発現を認めることから、心筋分化の研究に関してin vitroにおける有用なモデルである。これまでbone morphogenetic protein (BMP)が心筋の分化に重要であることは示されてきたが、その分子レベルでのメカニズムは未だ解明されていなかった。そこで心筋分化におけるBMPの役割を明らかにするため、BMPに結合してその機能を阻害する背側化因子nogginを過剰発現したP19CL6細胞(P19CL6noggin)を単離し、これを解析した。その結果、BMPはBMPのシグナル伝達系の一因子であるTAK1および転写因子のSmadの両者を介して心筋特異的転写因子であるCsx/Nkx2.5、GATA-4の発現に寄与していることが明らかにされた。この機序はP19CL6細胞における心筋の分化に必須であると考えられた。SmadファミリーもTAK1と同様にTGF-βシグナル伝達因子の一つであり、また最近ATF/CREBファミリーに属する転写因子ATF-2がSmadとTAK1の共通の核内ターゲットであることが報告された。そこで次に、SmadおよびATF-2が心筋細胞分化に関与しているかどうかをP19CL6細胞を用いて調べた。P19CL6におけるトランスフェクションの結果から、転写因子ATF-2はSmadおよびTAK1と協調してβMHCのプロモーター活性を上昇させることが示された。また、不活性型のATF-2の過剰発現によってβMHCを含むいくつかの心筋特異的遺伝子のプロモーター活性は抑制され、さらには心筋特異的遺伝子のmRNAの発現および心筋細胞への分化も抑制された。これらの結果から、ATF-2はSmadおよびTAK1と協調して心筋細胞の分化に重要な役割を果たしていることが示唆された。また、酵母のtwo hybrid systemを用いてCsx/Nkx2.5と会合する分子を複数単離した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Toko H: "Csx/Nkx2-5 is required for homeostasis and survival of cardiac myocytes in the adult heart"J Biol Chem. 277. 24735-24743 (2002)
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[Publications] Shirai M: "The polycomb-group Rae28 sustains Nkx2.5/Csx expression and is essential for cardiac morphogenesis"J Clin Invest. 110. 177-184 (2002)
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[Publications] Sato M: "Detection of experimental autoimmune myocarditis in rats by 111 in monoclonal antibody"Circulation. 106. 1397-1402 (2002)
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[Publications] Monzen M: "Dual effects of the homebox transcription factorCsx/Nkx2-5 on cardiomyocytes"Biochem Biophys Res Commun. 298. 493-500 (2002)
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[Publications] Minamino T: "Role of telomore in endothelial dysfunction in atherosclerosis"Curr Opin Lipidol. 13. 537-543 (2002)
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[Publications] Minamino T: "Peripheral-blood or bone-marrow mononuclear cells for therapeutic angiogenesis?"The Lancet. 360. 2083-2084 (2002)
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[Publications] 小室 一成: "循環器診察二頁の秘訣"心肥大の有無に要注意. 2 (2002)