2001 Fiscal Year Annual Research Report
脂溶性ホルモンによる骨代謝制御の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
12137202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳澤 純 東京大学, 分子細部生物学研究所, 助手 (50301114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 茂明 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (60204468)
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Keywords | エストロゲン / ARKOマウス / アンドロゲン / Cre-loxP system / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
女性の閉経によるエストロゲンの欠乏と骨量減少に相関が観られることから、古くから骨代謝機能におけるエストロゲンの重要性については数多くの知見が得られている。一方、皮質骨量や長管骨の大きさに性差が観られることから、男性ホルモンであるアンドロゲンが雄個体の骨組織において重要な役割を持つ可能性も指摘されている。しかしながら、骨組織におけるアンドロゲンの作用機構については不明であった。近年我々はアンドロゲンの作用を直接担う核内レセプター(アンドロゲンレセプター;AR)のノックアウトマウス(ARKOマウス)の作製の成功した。本研究では、このARKOマウスの骨組織の異常を解析することで、骨組織におけるARの役割を解明することを目的とした。 方法:本研究では、Cre-loxP systemを用いることで従来の手法では作製が不可能であったARKOマウスの作製に成功した(昨年度報告書)。そこで、ARKOマウス骨組織における骨組織の形態計測並びに、骨芽細胞、破骨細胞それぞれの分化について検討を行った。 結果:昨年度の報告の通り、雄ARKOマウスでは、海綿骨、皮質骨の双方において長管骨の骨量が減少していた。そこで、この骨組織の形態計測を行ったところ、単位骨量(BV/TV)が減少し,骨形成の指標と骨吸収の指標がともに上昇していた。そこで、骨芽細胞の増殖・機能を検討したところ,雄ARKOマウスでは顕著に亢進していた。骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養系では,骨芽細胞がKO由来の場合に限り破骨細胞形成が亢進していた.。 考察:雄ARKOマウスにおける大幅な骨量の減少から、雄個体におけるアンドロゲンの重要性が示された。更に今回、骨代謝機能の異常について解析したところ、AR欠損雄マウスは高回転型の骨量減少を呈し,その背景には骨芽細胞の増殖,骨形成能,および破骨細胞形成支持能の亢進があることが明らかとなった。以上雄ARKOマウスの骨組織の解析より、アンドロゲンの骨代謝調節機能の一端を解明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yanagisawa, J.: "Nuclear receptor requires a TFTC-type histone acetyl transferase complex"Molecular Cell. (印刷中). (2002)
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[Publications] Kitagawa, H.: "Ligand selective potentiation of rat mineralocorticoid receptor activation function (AF-1) by a CBP-containing HAT complex"Mol, Cell. Biol.. (印刷中). (2002)
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[Publications] Mezaki, Y.: "N-terminal activation function isdominant in ligand-dependent transactivation of medaka estrogen receptor in human cells"B.B.R.C.. 289. 763-768 (2001)
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[Publications] Yamamoto, Y.: "A tamoxifen responsive estrogen receptor alpha mutant D351Y shows reduced tamoxifen-dependent interaction with corepressor complexes"J. Biol. Chem.. 276(46). 426841-42849 (2001)
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[Publications] Watanabe, M.: "A subfamily of RNA binding DEAD-box proteins acts as an estrogen receptor coactivator through the N-terminal activation domain (AF-1) with an RNA coactivator, SRA"EMBO J.. 20. 1341-1352 (2001)