2000 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白質共役型及びFc受容体を介したマスト細胞のシグナル伝達機構
Project/Area Number |
12139204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紺谷 圏二 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30302615)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Keywords | マスト細胞 / ES細胞 / インターロイキン3 / 幹細胞増殖因子 / MAPキナーゼ / JNK / SEK1 / MKK7 |
Research Abstract |
マスト細胞上に存在するインターロイキン3(IL-3)や幹細胞増殖因子(SCF)などの増殖因子受容体やG蛋白質共役型及びIgEの受容体の下流には、ストレス応答性のMAPキナーゼシグナル伝達系であるSAPK/JNK系が存在することが明らかになりつつあるが、その生理機能については不明な点が多い。私どもは、SAPK/JNKを正に制御するキナーゼ、SEK1およびMKK7を欠損するES細胞を作出し、これを用いたキメラマウスの解析から、1)MKK7を欠損するマスト細胞では、IL-3やSCFによる増殖刺激に対して過増殖を示すようになること、2)このMKK7欠損細胞においては、細胞周期のGl期からS期への移行の促進に関与するCyclin D1の発現が亢進しており、逆に細胞周期阻害に関わるp16INK4aの発現が低下していることを見い出した。これらの結果は、MKK7を介するSAPK/JNK系シグナル系がマスト細胞の増殖の制御に深く関与していることを示唆するものであり、マスト細胞の増殖に関わるシグナル系の解明の糸口になると期待される。また、これまではThrとTyrの両残基をリン酸化するキナーゼ(dual-specificity kinase)と考えられてきたSEK1とMKK7だが、3)SAPK/JNK内のThr-Pro-Tyr配列のThr残基は主にMKK7によって、Tyr残基はSEK1によってリン酸化されること、4)両残基のリン酸化によってSAPK/JNKは相乗的に活性化されることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Bachmaier, et al.: "Negative regulation of lymphocyte activation and autoimmunity by the molecular adaptor Cbl-b."Nature. 403. 211-216 (2000)
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[Publications] T.Katada, et al.: "Enzymatic and Signal Transduction Properties of CD38/NADase and PC-1/Phosphodiesterase."Chem.Immunol.. 75. 60-78 (2000)