2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12140202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小堤 保則 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (70205425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 昌吾 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60233300)
竹松 弘 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (80324680)
松崎 勝己 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (00201773)
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Keywords | krabbe病 / Globoid cells / galactosylsphingosine / 多核細胞 / ISP-1 / プロテインキナーゼ / スフィンゴ脂質 / リン酸化 |
Research Abstract |
(1)先天性スフィンゴ脂質代謝異常症における多核細胞産生機構 多核細胞産生を伴う先天性膜脂質代謝異常症とは、globoid cell leukodystrophyで、本症はスフィンゴ脂質の一種であるgalactosylceramideを分解する特異的β-galactosidase欠損症である。本症患者は、重篤な神経疾患を発症し2-3歳で死亡するが、galactosylceramideを多く含む脳内に、globoid cellと呼ばれる多核細胞が出現する。本症の名前はこの細胞の名前に由来するが、その生成機構はほとんど明らかにされていない。今年度は培養細胞系を用いた巨大多核細胞産生モデル系を用いて、多核形成が細胞質分裂阻害でありその阻害点は、収縮環形成以降にあることを明らかにした。また、多核産生に先立って、アクチンフィラメントの巨大隗が現れるが、この巨大隗の電子顕微鏡写真を取ったところ細かな空胞の集まりであることが明らかになった。 (2)スフィンゴ脂質減少に伴う細胞質分裂阻害を抑制する遺伝子の解析 スフィンゴ脂質合成阻害剤であるISP-1は、申請者の研究により、酵母に対して細胞質分裂阻害および多核の誘導を引き起こすことが明らかにされている。さらに、ISP-1に耐性を示す6つの遺伝子の単離に成功している。このうちSLI2と命名した遺伝子は、プロテインキナーゼ構造を有する夕ンパク質をコードしていた。このプロテインキナーゼの活性を種々の基質を用いて測定したところ、PKCの一種を用いることで測定可能であることが明らかになった。この測定系を用いて、種々の変異体の活性を測定したところ、ATP結合能を欠いた変異体は化生がないことが示された。また、リン酸化部位と考えられている662のスレオニンを他のアミノ酸に変えた場合も、活性に大きく影響が表れた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Sun et al.: "Sli2/Ypk1, a homologue of mammalian protein kinase SGK, is a downstream kinase in the spingolipid-mediated signal pathway of yeast"Mol.Cell.Biol.. 20(12). 4411-4419 (2000)
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[Publications] T.Kanazawa et al.: "Inhibition of Cytokinesis by a Lipid Metabolite, Psychosine"J.Cell Biol.. 149(4). 943-950 (2000)