2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12140202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小堤 保則 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (70205425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 勝巳 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00201773)
半田 哲郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00025719)
竹松 弘 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (80324680)
岡 昌吾 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60233300)
山銅 ゆかり (山根 ゆかり) 京都大学, 生命科学研究科, 教務職員 (70359785)
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Keywords | サイコシン / 多核 / 細胞内小器官 / 細胞質分裂 / スフィンゴ脂質 / MSS4 / PI4,5P2 / Rom2 |
Research Abstract |
(1)先天性スフィンゴ脂質代謝異常症における多核細胞産生モデル系を用いた研究 サイコシンは多核形成を引き起こすと同時に、細胞内小器官の分布異常とりわけWGA顆粒の分布異常を引き起こすことが明らかになった。そこで、WGA顆粒の分布異常と細胞質分裂異常との関係を検討したところ、サイコシン無添加の場合、WGA顆粒はゴルジ体に存在するが、サイコシン添加時にはゴルジ体から移動することが示された。また、このWGA顆粒を電顕で観察したところ、密度の高い小胞が観察された。 (2)スフィンゴ脂質減少に耐性を示す新たな酵母遺伝子のSLI6の解析 SLI6の遺伝子配列を明らかにしたところ、PI4,5P2合成の最終段階を触媒する酵素であるホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼをコードする遺伝子であるMSS4と同一であった。また、MSS4のマウスホモログであるマウスPI4P5K遺伝子を同じように酵母に発現させてもスフィンゴ脂質量の減少に伴う細胞死から回避することが明らかにされた。この事実とスフィンゴ脂質合成の類似性を考慮に入れると哺乳動物でも類似の機構があることが予想された。一方、MSS4を強制発現させてもスフィンゴ脂質合成量が変化しないことから、ホスファチジルイノシトール4リン酸5キナーゼの上流にスフィンゴ脂質が位置していると考え、本酵素の機能に対するスフィンゴ脂質の影響を調べたところ、スフィンゴ脂質量の減少により本酵素の細胞内局在が、細胞膜から細胞質内の顆粒へと変化することが明らかになった。また、この細胞内局在の変化に伴い、PI4,5P2によって制御されていることが知られているRom2の細胞内局在も同時に変化したことから、PI4,5P2依存的なシグナルも影響を受けることが明らかにされた。
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Research Products
(5 results)