2002 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析による蛋白質修飾ネットワークの解析
Project/Area Number |
12206009
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
谷口 寿章 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (10257636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 美紀 理化学研究所, 翻訳後修飾による動的調節機構研究チーム, 連携研究員
山内 英美子 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (50332292)
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Keywords | プロテオーム / リン酸化 / 蛋白質間相互作用 / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究においては、細胞内情報伝達系の中核を担う蛋白質リン酸化酵素によるリン酸化ネットワークを明らかにすることで、情報伝達系の網羅的解析を目指すと共に、機能未知遺伝子の機能を解析することを目的としている。本年度は、質量分析を初めとする様々な装置から得られる大量のデータを収集し、リレーショナル・データベースを構築することで、効率よく情報を抽出するデータ管理システムを構築し、様々な生物種のプロテオーム解析を行うことでこのファシリティの評価を行った。さらに、質量分析で得られた情報をゲノム配列上に直接マップする技術を確立した。様々なタンパク質のリン酸化部位を解析すると同時に、モデルシステムとして、高度好熱菌P.horikoshiiや枯草菌などの微生物のプロテオーム解析を行った。その結果、いくつものモデル生物において1,000種類を越えるタンパク質の発現が確認された。一方質量分析により得られる情報を、ゲノム配列に直接マップすることで、従来遺伝子として認識されていなかった新規遺伝子を多く見出した。これらのほとんどは、非常に短いORFであり、従来の遺伝子予測アルゴリズムでは、予測することが非常に困難なものである。また、ゲノム配列のエラーによるフレームシフトや、開始コドンがATG以外のコドンが使われているケースも数多く見出され、プロテオーム解析のデータを、直接ゲノム配列にマップすることで、ゲノム配列そのものの信頼性、遺伝子予測を含むアノテーションの精度を高めることができることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.Yamauchi: "Crystal structure of MARCKS calmodulin-binding domain peptide complexed with Ca2+/Calmodulin"Nature Struct. Biol.. 10. 226-231 (2003)
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[Publications] A.Ohyama: "Regulation of exocytosis through Ca2+/ATP-dependent binding of autophosphorylated Ca2+/Calmodulin-activated protein kinase II to syntaxin 1A"J. Neurosci.. 22. 3342-3351 (2002)
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[Publications] H.Yamamoto: "Phosphorylation of microtubule-associated protein tau by Ca2+/Calmodulin-activated protein kinase II in its tubulin binding sites"Archiv. Biochem. Biophys.. 408. 255-262 (2002)