2000 Fiscal Year Annual Research Report
痛み受容機構の解明と痛み受容体の脳における機能の検討
Project/Area Number |
12210035
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
富永 真琴 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (90260041)
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Keywords | 痛み / カプサイシン受容体 / VR1 / プロトン / ATP |
Research Abstract |
痛みは化学的・熱・機械的刺激によって感覚神経終末が活性化されることによって惹起されるが、遺伝子クローニングされた侵害性刺激受容体であるカプサイシン受容体(VR1)は異所生発現系における電気生理学的解析のみならずノックアウトマウスの解析からも多刺激痛み受容体として機能していることが明らかとなった。また、VR1遺伝子は視床下部・小脳・線状体・中脳等、脳内に発現することが報告されている。そこで、VR1の分子機構を解明することを第1の、VR1の脳における機能を解明することを第2の目的とした。有効刺激の1つであるプロトンによる活性化のEC50が約pH5.4であること、プロトンが細胞外からのみ作用することから、VR1の細胞外ドメインの酸性アミノ酸の点変異体を作成して機能解析を行いプロトンの作用部位を検討した。その結果、VR1の第3細胞外ループのグルタミン酸(E600)がプロトンによるVR1活性の制御に、別のグルタミン酸(E648)がプロトンによるVR1の直接の活性化に重要であることが明らかとなった。傷害部位から放出される炎症関連メデイエイターは感覚神経終末での痛み刺激受容を制御することが知られているが、そのメカニズムは明らかではない。メデイエイターの1つである細胞外ATPのVR1活性に対する作用を検討した結果、これまで知られているイオンチャネル型(P2X)受容体のみならず代謝型(P2Y)受容体にも作用してPKCの活性化を介してVR1活性を制御していることが明らかとなった。これは、ATPによる全く新しい疼痛発生メカニズムとして注目される。第1の目的に関しては2つの論文を作成できた。第2の目的に関しては、現在、実験を遂行中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Jordt S-E: "Acid Potentiation of the capsaicin receptor determined by a key extracellular site"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 97・. 8134-8139 (2000)
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[Publications] Tominaga M.: "Capsaicin receptor in the pain pathway"Jpn.J.Pharmacol.. 83・. 20-24 (2000)
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[Publications] 富永真琴: "多刺激痛み受容体としてのカプサイシン受容体の構造と生理機能"実験医学. 18・. 2325-2331 (2000)
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[Publications] Tominaga M.: "Control and Diseases of Sodium Dependent Transport Proteins and Ion Channels"Elsevier Science. 440 (2000)