2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12213087
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小松 賢志 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (80124577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 修一 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (60346070)
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Keywords | DNA二重鎖切断 / NBS1 / 相同組換え / SMC1 / S期チェックポイント / BRCA1 / WRN / ナイミーヘン症候群 |
Research Abstract |
前年度までの研究で我々はチキンNBS細胞は相同組換え能に異常があることを報告した。この実験に用いたチキンDT40細胞は相同組換え能が異常に昂進した細胞株であるので、本計画ではNBS患者細胞ならびにNBS1ノックアウトマウスから樹立したマウスNBS細胞などの相同組換え能についてアッセイした。実験は相同組換えが正常に起こったときにGFPが発現するDR-GFPレポーター遺伝子を組み込んだ細胞に、I-Sce1制限酵素導入によりDNA二重鎖切断を誘導した後の組換え量をFACSにより解析した。その結果、NBS1欠損細胞株では40%程度までに相同組換え修復能が減少していることが示された。またNBS1蛋白のN末およびC末側の欠失による相同組み換え修復の顕著な低下が示された。一方、N末およびC末側の欠失は、姉妹染色体間の相同組み換えに重要なコヒーシンSMC1とNBS1との結合、ならびにS期チェックポイントに必要なSMC1リン酸化の阻害をもたらした。一方、N末およびC末側の欠失は放射線照射後の高頻度の染色体異常を誘発することから、SMC1との結合ならびにそのリン酸化の異常がNBS細胞のチェックポイント異常と染色体不安定性の原因と思われる。また、NBS1は、上記の蛋白に加えて、BRCA1およびWRNなどの修復蛋白と放射線照射後に細胞内損傷部位で結合した。酵母ではRAD51およびそのパラログが予め巨大蛋白を形成して修復センターを構築するモデルが提示されている。本研究結果は高等真核生物では、予め設定された修復センターではなく、損傷部位に修復蛋白およびシグナル蛋白がリクルートされて修復の"場"が形成される段階的な修復場形成モデルを示した。
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Research Products
(7 results)