2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12217113
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鵜殿 平一郎 長崎大学, 医学部, 助教授 (50260659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新原 直樹 住友電気工業, バイオメディカル, 主査
由井 克之 長崎大学, 医学部, 教授 (90274638)
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Keywords | ストレス蛋白 / がん抗原ペプチド / hsc70 / CTL / ワクチン |
Research Abstract |
我々はCTL認識抗原ペプチドを遺伝子工学的にストレス蛋白分子hsc70と融合させた融合分子がワクチンとして確実な効果があることを証明し、その細胞性免疫誘導機構及びストレス蛋白分子のどのような性状にそれが依拠するのかを明らかにした。腫瘍抗原ペプチドpRL1a(マウス白血病細胞RL♂1のLd拘束性ペプチド)、TRP2(マウスメラノーマB16のKb拘束性ペプチド)、さらにモデル抗原としてOVA257-264をそれぞれhsc70のC末に融合してその免疫効果を検討した。これら3つのペプチドに対して強力なCTLが誘導された。これらのCTLはオリジナルの腫瘍に対しても高い傷害活性を示した。CTLエピトープの融合部位はhsc70のN末、C末どちらでもよかった。in vivoへの投与経路は皮下、皮内ではなく静脈内投与が最も効果的であった。このことはhsc70のターゲットとする抗原提示細胞は皮下ランゲルハンス細胞ではないことを意味している。むしろ、脾臓内未熟樹状細胞、或いはマクロファージの可能性が高い。hsc70融合分子によるCTL誘導にはCD4^+T細胞は必須ではなかった。また、免疫の際にカラゲナンを投与するとhsc70融合分子によるCTL誘導は全く消失するためカラゲナン感受性の抗原提示細胞がhsc70融合分子のプロセッシングにあたると推測された。 次にhsc70のどの領域がCTL誘導に必須であるかを検討するためにhsc70のdeletion mutantsとCTIエピトープの融合分子を作製した。その結果hsc70280-385の間に必須領域があると判断した。 hsc70はある細胞表面受容体をもつ特定の抗原提示細胞に特異的に取り込まれると考えられている。この受容体の特定と同時にhsc70280-385と受容体の結合を介して細胞内に取り込まれる可能性を今後検討する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamano T. et al.: "Hsp90 and PA28 coordinate the processing of MHC I peptide precursors."Cell Stress & Chaperones. 5. 397-397 (2000)
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[Publications] Udono H. et al.: "Introduction of PA28a lacking C-terminal residues act as dominant-negative form and reveals a novel function of hsp90 in MHC I antigen processing"Cell Stress & Chaperones. 5. 381-381 (2000)
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[Publications] Ishikawa H. et al.: "Hsc70 genetically fused with a helper-epitope conferred a reduced CT Lactivity, resulting in a failure to keep hosts away from tumor growth in vivo."Cell Stress & Chaperones. 5. 387-387 (2000)