2000 Fiscal Year Annual Research Report
新しい作用機序を有する新規ピリミジン系抗ガン剤の開発研究
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12217145
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
野出 學 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (60027076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西出 喜代治 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (10237711)
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Keywords | 新規ピリミジン系抗癌剤 / シクロブタン骨格 / 環式アミノアルコール / ヒト乳癌MDA-MB-231 / II型トポイソメラーゼ / 選択的阻害 / NF-1147 |
Research Abstract |
(A)方法と結果 (1)新規ピリミジン系抗癌剤のデザインと合成 ピリミジン誘導体はウラシルと同等であり、環式アミノアルコールは核酸の糖部分に相当させれば、核酸類似化合物を合成することが可能であり、がん細胞のDNA複製を阻害できるとの仮説がデザインの基本である。この仮説に基づき、各種の新規ピリミジン系化合物を合成した。 (2)新規ピリミジン系化合物の抗腫瘍活性評価 新規ピリミジン系化合物を癌研及びNCIにおいてin vitro,in vivoの制癌活性評価を実施したところ、シクロペンタン骨格(5員環)を有する化合物には抗腫瘍活性が認められなかったが、シクロブタン骨格(4員環)を有する化合物に強い抗腫瘍活性が認められた。 合成したシクロブタン骨格(4員環)を有する新規ピリミジン化合物の中から、NF-1147は癌研におけるHCC(Human Cancer Cell)panel,NCIにおけるHollow Fiberを用いたex vivo試験及びジェノグラフ試験の結果、ヒト乳癌MDA-MB-231に対する顕著な抗腫瘍活性を示し、本化合物を候補化合物として選択した。化合物(NF-1147)はDNA複製に大きく関与していると考えられているII型トポイソメラーゼを選択的に阻害(IC_<50>=<30mM)する活性(I型トポイソメラーゼは阻害しない)を有していることが明らかになった。 (B)結論 抗腫瘍活性を有する新規ピリミジン化合物群を合成し、その活性を癌研及び米国NCIにおいて評価し、ヒト乳癌MDA-MB-231に対する顕著な抗腫瘍活性とDNA複製に大きく関与するII型トポイソメラーゼに選択的阻害活性を有する化合物(NF-1147)を評価・選択することができた。従って、分子標的抗がん剤としての開発が期待できると考えられる。
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