2000 Fiscal Year Annual Research Report
台湾における肝内結石症と肝内胆管癌の相関に関する疫学的共同研究
Project/Area Number |
12218218
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
二村 雄次 名古屋大学, 医学部, 教授 (80126888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沼 安二 金沢大学, 医学部, 教授 (10115256)
神谷 順一 名古屋大学, 医学部, 講師 (70194975)
濱口 道成 名古屋大学, 医学部, 教授 (90135351)
小田 高司 名古屋大学, 医学部, 助手 (30311715)
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Keywords | 肝内結石症 / 肝内胆管癌 / 免疫組織化学 / 症例対照研究 |
Research Abstract |
A.臨床病理学的研究 1)長庚紀念医院において1977年から1990年の期間に治療された肝内結石症と同期間に名古屋大学第1外科で治療した肝内結石症の肝内区域胆管枝の合流形態を比較検討したところ、その合流形態には有意差が認められなかった(Intrahepatic Segmental Bile Duct Patterns in Hepatolithiasis.Kitagawa Y,Nimura Y,et al.in submission)。 2)肝内結石症に合併した胆管癌を病理組織学的・免疫組織化学的検討したところ、進行肝内胆管癌の初期病変と考えられ、これまでに報告されていない胆管内乳頭状腫瘍の存在が確認された(Intraductal Papillary Neoplasm of the Liver Associated with Hepatolithiasia.Chen TC,Nakamuma Y,Nimura Y,et al.in submission)。 B.症例対照研究 長庚紀念医院の肝内結石症130例、健康対照者248例の解析により、台湾における肝内結石症の発生に生活習慣因子のうち、井戸水、河川水の飲用、低所得階層であることが促進的に働くとの解析結果が得られた。 C.分子生物学的研究 長庚紀念医院において収集した肝内結石症21例、肝内結石症に合併した肝内胆管癌2例をDNAアレイ(Atlas Human Cancer1.2 Array,Atlas human oncogene/Tumor Suppressor Array,CLONTECH)をもちいて解析したところ、結石肝でBRCA2,c-erbB-2,c-Met,EGF等の癌関連遺伝子の活性の上昇をみとめた。結石肝においては癌原遺伝子、癌抑制遺伝子がともに活性化しており、細胞増殖を制御する遺伝子の発現が活性化される一方、defense mechanismが働いている病態であることが推察された。
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