2000 Fiscal Year Annual Research Report
大規模コホートによる胃がんの発生・死亡関連要因の探索
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12218237
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
吉村 健清 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (20037435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 式彦 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (40022834)
溝上 哲也 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (60269074)
徳井 教孝 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (50207544)
豊嶋 英明 名古屋大学, 医学部, 教授 (10023657)
星山 佳治 昭和大学, 医学部, 助教授 (90260231)
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Keywords | 胃癌死亡 / 追跡研究 / 生活習慣 |
Research Abstract |
生活習慣をはじめとする胃癌のリスク要因を、日本各地の地域住民を対象とした大規模コホートのデータを用いて明らかにすることを目的とした。1997年末までの追跡結果を用いて、社会経済要因、家族歴、家族集積、運動・ストレス、食生活・嗜好品、喫煙・飲酒、検診受診、女性生殖歴およびこれらの組み合わせが胃癌死亡(ICD9=151)とどのように関連しているかを検討した。ベースライン調査時の年齢が40歳から79歳までの男女それぞれ4万6千名、6万4千名を解析対象とした。各項目について胃癌死亡の相対危険度(以下、RR)をコックス比例ハザードモデルによって計算した。解析は性別におこない、年齢は10歳階級で補正した。胃癌死亡と関連が見られた要因には、教育歴(男:教育歴15歳以下と比較し18歳以上ではRRが0.7)、家族歴(男:RR,1.5;女:RR,2.1)、コーヒー摂取、胃癌検診(男:RR,0.5)が含まれる。特に女では母親が胃癌の場合に高いリスクを示した。また胃癌には家族集積性があることも示唆された。一方でこれまで胃癌の関連要因として示唆されてきた緑黄色野菜の摂取、高塩分含有食品の摂取との関連は明らかでなかった。胃癌検診は男では受診群で胃癌死亡リスクの低下を認め、また女でも家族歴があるものについてはリスクの低下を認めた。以上で得られた結果は、今後へリコバクター=ピロリなどの血清測定により、罹患症例を含むコホート内症例対照研究の手法により、生体側要因との交互作用などについてさらに詳細に検討する予定であり、その準備のため測定項目の選定などの基礎整備を進めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kaneko,S.: "Time trend analysis of gastric cancer incidence in Japan by histological types, 1975-1989"British Journal of Cancer. 84(3). 400-405 (2001)
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[Publications] Iwasaki,T.: "A Method for Identifying Underlying Causes of Death in Epidemiological Study"Journal of Epidemiology. 10(6). 362-365 (2000)
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[Publications] Oyama,T.: "Evaluations of p53 Immunoreactivity, Nucleolar Organizer Regions, and Proliferating Cell Nuclear Antigen in Non-Small Cell Lung Carcinoma"Anticancer Research.. 20. 505-510 (2000)
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[Publications] Mizoue,T.: "Prospective Study on the Relation of Cigarette Smoking with Cancer of the Liver and Stomach in Their Endemic Region"Int.J.Epidemiology. 29(2). 232-237 (2000)
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[Publications] Hoshiyama,Y.: "Relation of Cigarette smoking, alcohol use, and dietary habits to colon adenomas : a case-control study in Saitama Japan."Asian Pacific J Cancer Prev.. 1. 139-146 (2000)
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[Publications] 豊嶋英明: "成人における循環器疾患-進展とその予防、その1:心疾患-"循環器専門医. 8. 55-62 (2000)