2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間接着の分子機構とその異常:細胞がん化・転移浸潤における役割
Project/Area Number |
12219210
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
月田 承一郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (50155347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雅彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (70270486)
月田 早智子 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00188517)
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)
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Keywords | タイトジャンクション / クローディン / MUPP1 / PDZドメイン / GFP / 大腸癌 / ERM蛋白質 / ラディキシン |
Research Abstract |
これまで上皮細胞の特徴を分子レベルで理解するために、単離した細胞間接着装置を利用して、αカテニン、ERM蛋白質、タイトジャンクションの接着分子オクルディン・クローディンの同定及び解析を進めてきた。昨年度からは,タイトジャンクション解析とERM蛋白質解析に集中し、さらなる上皮細胞研究の発展を目指した。本年度の主な成果は以下の通りである。 1.Yeast two-hybrid法により、クローディンの細胞質ドメインに結合し、PDZドメインを13個も持つ新たな蛋白質MUPP1を同定した。抗体作製や試験管内結合実験により、このMUPP1が実際にクローディンと結合しタイトジャンクションに局在することを確かめた。 2.クローディン-1ノックアウトマウスの作製に成功した。そのマウスは正常に生まれてくるが、皮膚のバリアー機能の破綻により、一日以内に脱水症状を呈し死亡した。 3.GFP-クローディン融合蛋白質を線維芽細胞に強制発現することにより、GFPラベルされたタイトジャンクションストランドを再構築することに成功した。この細胞を高分解能顕微鏡システムで生きたまま観察することにより、タイトジャンクションストランドの動態を生きた細胞の中で可視化することに初めて成功した。 4.DNAチップを用いた解析から、ヒト大腸癌においてクローディン-1がきわめて高頻度に過剰発現していることを見出した。また、クローディン-1の発現がβカテニンにより制御されているらしいことも分かった(中村祐輔教授グループとの共同研究)。 5.精製した種々の変異リコンビナントERM蛋白質を低角度回転蒸着法により電子顕微鏡観察することにより、ERM蛋白質の活性化の機構を直接可視化することに成功した。 6.ラディキシンノックアウトマウスの作製に成功した。このマウスは直接ビリルビン値が上昇する先天性黄疸を示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Furuse, M.: "Claudin-based tight junctions are crucial for the mammalian epidermal barrier : A lesson from claudin-deficient mice"Journal of Cell Biology. (印刷中). (2002)
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[Publications] Hamazaki, Y.: "Multi-PDZ-containing protein 1 (MUPP1) is concentrated at tight junctions through its possible interaction with claudin-1 and JAM"Journal of Biologyical Chemistry. 277. 455-461 (2002)
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[Publications] Itoh, M: "Junctional adhesion molecular (JAM) binds to PAR-3 : a possible mechanism for the recruitment of PAR-3 to tight junctions"Journal of Cell Biology. 154. 491-497 (2001)
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[Publications] Mimori-Kiyose, Y.: "Where is APC going?"Journal of Cell Biology. 154. 1105-1109 (2001)
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[Publications] Furuse, M.: "Conversion of Zonula Occludentes from tight to leaky stand type by introducing claudin-2 into MPCR I cells"Journal of Cell Biology. 153. 263-272 (2001)
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[Publications] Tsukita, S.: "Multi-functional strands in tight junctions"Nature Review of Molecular Cell Biology. 2. 285-293 (2001)