2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間接着の分子機構とその異常:細胞がん化・転移浸潤における役割
Project/Area Number |
12219210
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
月田 承一郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (50155347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)
久保 亮治 京都大学, 医学研究科, 助手 (70335256)
足立 誠 京都大学, 医学研究科, 助手 (30335244)
月田 早智子 京都大学, 医学部, 教授 (00188517)
佐々木 博之 東京慈恵会医科大学, DNA研究所, 講師 (60170693)
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Keywords | タイトジャンクション / クローディン / ノックアウトマウス / Snail / ZO-1 / ZO-2 / がん / 上皮間葉転換 |
Research Abstract |
本研究では,主にタイトジャンクション(クローディン)の解析を通して、上皮細胞そのものの分子レベルでの理解をさらに深めることを目指した。本年度の主な成果のうち、大きく進展した点は以下の通りである。 1.クローディンの個体レベルでの機能を理解し、ドラッグデリバリー法の開発にも貢献する目的で、種々のクローディンのノックアウトマウスの作製を続行した。特に、血液脳関門を司るクローディンー5のコンディショナルノックアウトマウスの作製と、末梢神経シュワン細胞で機能するクローディンー19のノックアウトマウスの作製を進めた。 2.マウス培養上皮細胞(Eph4)を用いて、任意の遺伝子をノックアウトするシステムを確立した。この技術を用い、タイトジャンクション裏打ち蛋白質であるZO-1とZO-2を欠く上皮細胞株の確立に成功し、その細胞の挙動を詳細に調べ、タイトジャンクション形成におけるこれら裏打ち蛋白質の役割を明らかにした。 3.転写因子Snailは、がんの転移過程や個体発生過程において重票な上皮・間葉転換のスイッチとして働く。このSnailが、すべてのクローディンの遺伝子の転写を完全に抑制することを見出し、さらに、Snailで直接抑制される遺伝子群をDNAチップを用いて探索したところ、きわめて興味深い上皮特異的な蛋白質を同定することに成功した。 4.我々が従来より確立し用いてきたマウス肝臓より調整したジャンクション濃縮分画を2次元電気泳動展開し、ジャンクションに濃縮する蛋白質の同定を質量分析法により同定する作業を開始した。
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Research Products
(6 results)