2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12301001
|
Research Institution | Kacho Junior College |
Principal Investigator |
落合 俊典 華頂短期大学, 生活学科, 教授 (10123431)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤尾 栄慶 京都国立博物館, 学芸課, 主任研究官 (20175764)
梶浦 晋 京都大学, 人文科学研究所・付属東洋学文献センター, 助手 (80293950)
後藤 昭雄 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80022284)
辛嶋 静志 創価大学, 国際仏教学高等研究所, 教授 (80221894)
衣川 賢次 花園大学, 文学部, 教授 (20161523)
|
Keywords | 金剛寺一切経 / 十二門経 / 安世高 / 写本一切経のデジタル化 / 安般守意経 / 貞元入蔵録 / 敦煌写本 |
Research Abstract |
本研究は、(1)金剛寺一切経の基礎的研究と、(2)新出仏典の研究の2部門に分かれる。以下それぞれの進捗状況を報告する。 (1)においては、金剛寺一切経の整理作業と約4千巻の経巻の法量を採りデータ化するとともにデジタル化し全体像を把握するものである。今年度は大規模な現地調査を2回、中規模の現地調査を十数回実施した。 各巻の簡略な調査カードを作成し、更にそれらをデータ入力し、金剛寺一切経の基本的位置付けを行った。その結果、平安時代写本一切経の標準的入蔵録である七寺一切経中の貞元入蔵録に相応することが判明した。次いでその順次に従い、延べ人数百人のスタッフを動員して経巻を62の文書箱に分納した。さらに詳細な調査カードの作成に入り、約400巻分のカードが出来上がった。 一方、画像デジタル化作業はバソコン・デジタルカメラ・撮影機器等のセッティングを行い、撮影モードの基準値を定めるべく種々実験を繰り返した。しかし画像のデータ量が極端に大きく、外付けHDDへのバックフップやDVDへの焼き付けなど予想外の時間がかかることがわかった。時間的効率化を図るためにはさらに機器の導入が必要とされる。今年度は試作データとして20巻をデジタル化した。 (2)においては前後10回の研究会を開催し、『安般守意経』『十二門経』の解読研究を進めた。しかし、極めて難解な文献のために全体の三分の一を読み終えたに過ぎない。このため内外に関連文献の収集に努めた。中国では天津市の芸術博物館に蔵されている敦煌写本を調査し、国内では宮城県の名取新宮寺一切経および京都妙蓮寺蔵松尾社一切経の調査を行った。さらに思想的に関連する諸文献(サンスクリット語・パーリ語・漢語)も猟渉した。 なお、本研究は海外でも関心を呼び、来々年度(2002年12月8日〜13日)の国際仏教学会(於タイ・バンコク)でのパネルシンポジウムに取り上げられた。研究代表者と研究分担者が出席報告する予定である。
|
Research Products
(12 results)
-
[Publications] 落合俊典: "よみがえった中国仏教の原典-金剛寺で発見された安世高沢『十二門経』-"大法輪. 2001年3月号. 132-135 (2001)
-
[Publications] 落合俊典: "李盛鐸旧蔵照明菩薩経探〓"『香川孝雄古稀記念論文集』所収. 1-12 (2001)
-
[Publications] 落合俊典: "羽田亨稿"敦煌秘笈"簡介"『敦煌蔵経洞発現百周年祈念論文集』所収. (2001)
-
[Publications] 落合俊典: "釈法盛撰『歴国伝』覚書"『石上善應先生古稀記念論文集』所収. 3091-3105 (2001)
-
[Publications] 後藤昭雄: "金剛寺蔵『文集抄』"白居易研究年報. 創刊号. (2000)
-
[Publications] 梶浦晋: "金剛寺一切経と新出安世高訳経典"仏教学セミナー. 73号. (2001)
-
[Publications] 赤尾栄慶: "関秀夫著『平安時代の埋経と写経』"古文書研究. 52号. (2000)
-
[Publications] 赤尾栄慶: "FORGERIES OF DUNHUANG MANUSCRIPTS"敦煌蔵経洞発現百周年祈念論文集. (2001)
-
[Publications] 衣川賢次: "張演『續光世音應驗記』譯注(下)"花園大学文学部研究紀要. 33号. 95-114 (2001)
-
[Publications] 辛嶋静志: "『大阿弥陀経』訳注(3)"佛教大学総合研究所紀要第8号. 第8号. (2001)
-
[Publications] デレアヌ・フロリン: "A Preliminary Study on Meditation and the Beginings of Mahayana Buddhism"創価大学国際仏教学高等研究所年報. 第3号. 65-113 (2000)
-
[Publications] デレアヌ・フロリン: "Buddhist "Ethology"in the Pali Canon : Between Symbol and Observation"THE EASTERN BUDDHIST. 32-2. 79-127 (2000)