2000 Fiscal Year Annual Research Report
水系構造と流域動態に基づく水・土砂流出機構と災害環境に関する研究
Project/Area Number |
12306008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新谷 融 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00001462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 勇喜 山形大学, 農学部, 教授 (70038298)
真野 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50111258)
黒木 幹男 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50002001)
丸谷 知己 信州大学, 農学部, 教授 (40112320)
眞板 秀二 筑波大学, 農林工学系, 助教授 (50015864)
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Keywords | 水系構造 / 流域動態 / 時空間スケール / 土砂収支 / 流送物質 / 時間情報 / 災害環境 / 滞留 |
Research Abstract |
国内研究打ち合わせ会議を2回(6月東京、2月札幌)開催し、研究計画方法について議論を行った。各分担者の対象とする試験流域についてそれぞれ北海道、東日本、西日本における流域区分(山地・中流域および扇状地・海岸域)ごとの水系構造解析と流域動態解析にもとづいて、水・土流出機構明のための流域空間スケールと時間スケールの意義を確認するとともに、流域特性定量化のための時空間スケール導入の方法について検討した。そして災害環境に強く影響する歴史的な人間活動と生態系変化に関わる流域動態特性は、とくに流域利用変遷史と深く関わっていること、また流出動態特性を示す土砂収支現象は土砂流出における滞留-流出現象の解明が基本となること、さらに山地から沿岸域までを含む新たな土砂収支モデル構築には流域時空間スケールの視点にもとづく水系構造・流域動態解析が必須であること、などが明らかとなった。 また、初年度にあってはとくに、オセアニア(オーストラリア、ニュージーランド)における流域水系構造と流域動態の特性を定量化するために、これら海外研究者達との合同現地調査・ワークショップを開催した。そして、日本国流域との比較検討を行った。とくにオーストラリア(ピットン、ベガ、サラ、カン)・ニュージーランド(マンガオパロ、タプアロア)と日本国の諸流域との比較検討から、時間スケールの長大なオーストラリアとこれの短い日本・ニュージーランドとでは時間情報の用い方を代えるべきこと、流送物質と空間スケールについてはとくにサイズ別解析方法の構築が新たに必要であることなどが明らかになった。
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[Publications] 永垣滋: "有珠山2000年噴火による流域荒廃と泥流"砂防学会誌. 53・6(印刷中). (2001)
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[Publications] 佐々木一郎: "地すべり地の平面形態の運動学的考察"地すべり学会誌. 37・1. 11-17 (2000)
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[Publications] 藤田栄浩: "釧路川の土砂生産に関する研究"土木学会北海道支部論文報告集. 56B. 120-123 (2000)
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[Publications] 萩野流子: "降雨によるダム流域の土砂生産特性調査"土木学会北海道支部論文報告集. 56B. 104-109 (2000)
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[Publications] 貝沼征嗣: "土砂動態から見た海浜と河川の関係"土木学会北海道支部論文報告集. 56B. 128-131 (2000)
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[Publications] Akira Mano: "The August 1998 Flood disaster in the Abukuma River basin"Journal of Natural Disaster Science. 22・1. 1-10 (2000)
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[Publications] 琴浦毅: "地表および地下流に対する擬似3次元洪水流出モデル"水工学論文集. 45(印刷中). (2001)
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[Publications] 堀場千夏子: "長江上流部における洪水流出解析"東北地域災害科学研究. 37. 7-12 (2001)
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[Publications] 中島勇喜: "海岸林の現状と課題"日本砂丘学会誌. 47・2. 128-135 (2000)
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[Publications] 新谷融: "流域動態の認識とその方法"北大図書刊行会. 266 (2001)