2000 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク破綻機構の解明とシェーグレン症候群の免疫制御
Project/Area Number |
12307040
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
林 良夫 徳島大学, 歯学部, 教授 (00127854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 久美子 徳島大学, 歯学部, 助手 (90294701)
羽地 則雄 徳島大学, 歯学部, 助手 (30274228)
斎藤 一郎 徳島大学, 歯学部, 助教授 (60147634)
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Keywords | シェーグレン症候群 / 膜骨格タンパク / 自己抗原 / α-フォドリン / アポトーシス / カスパーゼ / 自己反応性T細胞 / T細胞エピトープ |
Research Abstract |
難治性自己免疫疾患シェーグレン症候群の120KD自己抗原は分断化された膜骨格タンパクα-フォドリン断片であることから膜タンパク破綻機構の分子レベルにおける解明とin vivoにおける免疫制御法の研究開発が必要とされている。シェーグレン症候群モデルマウスやヒト患者で自己抗原が形成される機序を明らかにする目的で、生体内で起こっているタンパク分断化の分子機構の解明を試みた。その結果、自己抗原120KDα-フォドリンはカルパイン、カスパーゼ-3などによる唾液腺上皮細胞のアポトーシスカスケードの活性化によって分断化をうけている可能性が示唆された。即ち、自己抗原として精製された膜タンパクα-フォドリンは、アポトーシス過程で観察される正常膜タンパク破綻と極めて類似している。口唇腺生検材料を用いた免疫組織化学法ではシェーグレン症候群患者の口唇腺導管上皮細胞にα-フォドリンN末20残基に対するペプチド抗体に陽性所見がみられ、ウエスタンブロット法でも患者サンプルにのみ自己抗原に対する陽性所見が確認された。従って、腺組織破壊に関与するCD4T細胞の標的分子が唾液腺細胞膜上に存在する可能性が強く示唆される。自己成分としての腺上皮細胞膜タンパクの破綻に伴い自己抗原ペプチドがクラスII分子とともに提示される可能性が強く示唆され、唾液腺における自己の膜骨格タンパク破綻から抗原提示に至る全過程を解明することが必要とされている。更に、疾患特異的なT細胞エピトープを解明する目的で、α-フォドリン遺伝子全領域をカバーするpGEX発現ベクターの産生するGST fusion蛋白について制限酵素によるdeletin mutagenesis法を実施した。疾患モデル末梢またはリンパ節からT細胞を分離調整し各種リコンビナント蛋白及び合成ペプチドとの増殖反応性で解析を実施した結果、疾患特異的な自己反応性T細胞が樹立されるとともに、自己抗原のT細胞エピトープが明らかにされた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kaoru Saegusa et al.: "Treatment with anti-CD86 costimulatory molecule prevents the autoimmune lesions in murine Siogren's syndrome (SS) through up-regulated Th2 response"Clin.Exp.Immunol.. 119. 354-360 (2000)
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[Publications] Yoshio Hayashi et al.: "Involvement of apoptotic protease cascade for tissue destruction in Sjogren's syndrome."Arch.Immunol.Ther.Exp.. 48. 399-403 (2000)
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[Publications] Naozumi Ishimaru et al.: "Severe destructive autoimmune lesions with aging in murine Sjogren's syndrome through Fas-mediated apoptosis."Am.J.Pathol.. 156. 1557-1564 (2000)
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[Publications] Kaoru Saegusa et al.: "Mechanisms of neonatal tolerance induced in an animal model for primary Sjogren's syndrome by intravenous administration of autoantigen."Scand.J.Immunol.. 52. 264-270 (2000)
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[Publications] Kaoru Saegusa et al.: "Autoantigen-specific CD4+CD28low T cell subset prevents autoimmune exocrinopathy in murine Sjogren's syndrome"J.Immunol.. 165. 2251-2257 (2000)
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[Publications] Hideki Nakamura et al.: "Expression and function of X chromosome-linked inhibitor of apoptosis protein in Sjogren's syndrome"Lab.Invest.. 80. 1421-1427 (2000)