2001 Fiscal Year Annual Research Report
普及型地震計による構造物の耐震性能検証手法に関する研究
Project/Area Number |
12308018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
壁谷澤 寿海 東京大学, 地震研究所, 教授 (00134479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90134634)
工藤 一嘉 東京大学, 地震研究所, 助教授 (50012935)
小川 信行 防災科学技術研究所(研究職), 室長
境 有紀 東京大学, 地震研究所, 助手 (10235129)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 建築構造物 / 耐震設計 / 地震計 / 地震観測 / モニタリング / 地盤 / 振動実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地震防災システムおよび地震後の応急復旧システムの一環として、建築構造物の上下に設置された普及型地震計による計測情報を利用して構造物の耐震性能を評価するための基礎技術を開発することである。平成13年度は以下の研究項目を実施した。(1)地震計の開発(工藤):普及型(廉価型)地震計に必要な性能を抽出して簡素化した設計仕様を検討した。(2)テストサイトでの観測(工藤、壁谷澤):地盤増幅、相互作用効果を詳細に検討するため、観測点は、構造物、自由地盤、工学基盤(-30m、-70m)に地震計を設置して、観測を開始した。(3)強震動予測(纐纈、工藤):既存データの収集を行って地下構造を推定するとともに強震地動を予測する解析手法の開発を開始した。(4)相互作用解析(壁谷澤):テストサイトにおける中小地震および起振機振動実験によるデータを利用して、入力地震動の相互作用モデルの妥当性を検証した。(5)耐震性能の推定とモニタリング(壁谷澤、小川、堀):偏心ピロティをもつ鉄筋コンクリート造建物(1/3スケール)の震動実験を実施して、柱が軸力支持能力を喪失するまでの破壊実験を行った。4種類の地震計の精度検証を行い、加速度データから層間変形角を推定するには安価な地震計の場合にはやや精度が劣るが、被災度推定には十分応用可能であることを確認した。(6)振動実験の解析:強震時の計測データから構造物の被災程度を推定する方法を振動実験により検証するため、解析プログラムの開発を開始した。(7)計測データによる被災度推定手法の開発(壁谷澤、境):観測データによる被災度推定を耐震診断結果も利用して修正する方法の開発に着手した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 平田昌宏, 奈良岡誠也, 金裕錫, 真田靖士, 松本和行, 壁谷澤寿海他: "耐震壁を有する鉄筋コンクリート造ピロティ建物の震動実験(その1)〜(その5)"日本建築学会大会学術講演梗概集. Vol.C-2. 705-714 (2001)
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[Publications] 瀏春淑, 壁谷澤寿海: "高密度観測による建造物地盤系の地震応答に関する研究"日本建築学会大会学術講演梗概集. Vol.B. 517-518 (2001)
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[Publications] 吉岡伸悟, 境有紀, 工藤一嘉, 壁谷澤寿海: "実観測記録に基づく鉄筋コンクリート造学校建物の地震応答解析"日本建築学会大会学術講演梗概集. Vol.C-2. 717-718 (2001)
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[Publications] 真田靖士, 壁谷澤寿海, 倉本洋, 福田俊文他: "耐震壁を有する鉄筋コンクリート造ピロティ建物の動的実験"構造工学論文集. Vol.47B. 511-520 (2001)
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[Publications] Toshimi Kabeyasawa, Yasushi Sanada, et al.: "Shaking Table Test and Design Analysis of A Wall-Frame Structure with Soft First Story"The Fourth International Symposium on Earthquake Engineering for Moderate Seismicity Regions. 94-112 (2001)
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[Publications] 壁谷澤寿海, 金裕錫, 他: "鉄筋コンクリート造偏心ピロティ建物の震動実験(その1)(その2)"第3回構造物の破壊過程解明に基づく地震防災性向上に関するシンポジウム論文集. 165-176 (2002)