2000 Fiscal Year Annual Research Report
温暖化と地球環境撹乱が生物多様性、生態系サービスそして人間社会に及ぼす複合効果:マルチスケールアプローチ
Project/Area Number |
12308028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
帰山 雅秀 北海道東海大学, 工学部, 教授 (80305937)
清水 勇 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (80025486)
日高 敏隆 滋賀県立大学, 学長 (70014892)
栗山 浩一 早稲田大学, 政治経済学部, 助教授 (50261334)
西本 豊弘 国立歴史民族博物館, 教授 (70145580)
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Keywords | 人為環境攪乱 / セレンゲ河 / 同位体分析 / AFLP分析 / 生態系価値、魚類の栄養動態 / 遺跡のGIS解析 / シロチョウの生息動態 |
Research Abstract |
地球温暖化と人為環境攪乱が生態系、生物多様性及び生態系サービスにおよぼす影響をグローバルな視点で多面的に研究調査し、本年度は以下のような研究成果を得た。(和田英太郎)モンゴル国において,河川水中の藻類,粒状懸濁物,堆積物の窒素・炭素同位体比の分析を行った結果,上流から下流にかけて水質汚濁の進行が見られるが,オルフォン河や上部モンゴル域セレンガ河と合流することによって,汚濁は希釈されることが明らかとなった。(清水勇)人為的環境攪乱による自然生態系の分断による遺伝子プールの孤立化を調査するため、DNAフィンガープリントの一種であるAFLP解析のシステムを確立し、これを用いてPieris rapaeの2地方集団を比較し考察した。(栗山浩一)釧路津湿原の湿原生態系を対象に、生態系価値の構成要因を分析した。その結果、生態系価値には、保護面積、訪問経験、生態系に対する知識、原生自然の認識、所得などが影響していることが明らかとなった。(帰山雅秀)δ13C-δ15N分析からアラスカ湾におけるサケ属魚類とその餌生物の栄養動態を解析し、それらの食物鎖とサケ属魚類の栄養段階を明らかにした。(西本豊弘)北海道東部の知床半島を中心に、縄文時代から江戸時代までの遺跡約500箇所とその動物遺体のデータをコンピューターデータとして収録し、それをCGとGISを用いて検討した。その結果、時代による遺跡の分布と出土物の相違を明らかにした。(小汐千春・日高敏隆)文献の調査およびチョウの研究の情報収集を中心に行ない、モンシロチョウとスジグロシロチョウの生活史特性や生息状況の差異をもとに、都市化にともなってこの2種のチョウのどちらの生息に適したものになってきたかについて、いくつかの仮説を立てた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ogawa,N,Yoshii K.,Melnik,N.G.,Bondarenko N.A.,Timoshkin,O.A.,Smirnova-Zalumi,N.S.,Smirnov,V.V.and Wada,E.: "Carbon and nitrogen isotope studies of pelagic ecosystems and environmental fluctuations of Lake Baikal."LAKE BAIKAL. 262-272 (2000)
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[Publications] Fujita,I.,I.Shimizu,and T.Abe: "Disribution of lysozyme and protease, and amino acid concentration in the guts of a wood-feeding termite, Reticulitermes speratus (Kolbe) possible digestion of symbiont bacteria"Physiological Entomology. 26. 1-8 (2001)
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[Publications] 清水勇,谷口賢記,河合豊,青木摂之: "日本ミツバチの概日リズムとピリオド遺伝子の研究"日本時間生物学会誌. 6. 84 (2000)
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[Publications] kacriyama,M.,M.Nakamura,M.Yamaguchi,H.Ueda,G,Anma,S.Takagi,K.Y.Aydin.R.V.Walker.and K.W Myers: "Feeding ecology of sockeye and pink salmon in the Gulf of Alaska.N.Pac.Anadr.Fish Comm.Bull"N.Pac.Anadr.Fish Comm.Bull.. 2(in press). (2000)
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[Publications] 帰山雅秀: "ベニザケを例にみる「通し回遊魚」の生態"Ajico News.. 197号. 9-16 (2000)
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[Publications] 帰山雅秀: "放流魚が野生魚に及ぼす生態学的影響"日本水産学会誌. 66(1). 152-153 (2000)
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[Publications] 栗山浩一: "図解 環境評価と環境会計"日本評論社. 233 (2000)
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[Publications] 栗山浩一: "「コンジョイント分析」大野栄治編著『環境経済評価の実務』"勁草書房. 105-132 (2000)