2000 Fiscal Year Annual Research Report
高周波単一電子トランジスタを用いた高速高感度走査電荷顕微鏡の開発
Project/Area Number |
12355002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 宏 東京大学, 低温センター, 助手 (60216067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 洋一 筑波大学, 物理学系, 教授 (50126009)
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Keywords | 単一電子トランジスタ / 走査プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
3年計画の第1年度であり、当初予定した1.低速の走査電荷顕微鏡の実現 2.高周波単一電子トランジスタ技術の導入という2つの目標に向けて研究を行った。 まず、第1点については、東京大学においては光ファイバーの先端角7度程度への先鋭化技術、および先鋭化した光ファイバーへの金属蒸着・酸化による接合形成プロセスを確立し、センサー作製まで今一歩というところに来ている。筑波大学においては、電子線リソグラフィを用いて、帯電エネルギー10meV程度で、4.2Kで十分動作可能なプレーナ型の単一電子トランジスタの作製に成功している。また、極低温試料表面走査装置の整備を行い、センサーの開発状況とともに、低速の電荷顕微鏡の実現までいま一歩という段階に達している。 第2点の高周波単一電子トランジスタ技術の導入に関しては、現段階では、当初予定より2,3ヶ月遅れている状況にある。高周波用冷凍機の作製、RF・マイクロ波計測装置の導入を済ませ、次にRF・マイクロ波回路の構築に取りかかる段階にある。ファイバー型センサーの電極の静電容量を評価し(6pF程度)、現実的なキャリア周波数として100MHzを選び、次年度でこの帯域での高周波単一電子トランジスタを実現する。特に低雑音化のために、この帯域での低温バランス型増幅器の設計・作製も予定している。
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