2001 Fiscal Year Annual Research Report
高周波単一電子トランジスタを用いた高速高感度走査電荷顕微鏡の開発
Project/Area Number |
12355002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 宏 東京大学, 低温センター, 助手 (60216067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 洋一 筑波大学, 物理学系, 教授 (50126009)
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Keywords | 単一トランジスタ / 走査プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
高速走査電荷顕微鏡の要素技術として、走査顕微鏡を高速動作させるための回路の開発を行った。 当初RF技術を用いた高速回路を採用することを考えていたが、より簡易で汎用性があり、かつ広い動作帯域をもつ回路の開発を行った。計測回路の帯域を制限する要因は、単一電子トランジスタ自身の高いインピーダンスと、信号ケーブルの浮遊容量である。前者は、定電圧印加のコンダクタンス計測型回路を用いる場合には問題とならない。そこで、信号ケーブルの浮遊容量を物理的にあるいは実効的に小さくできるコンダクタンス計測回路を2種類開発した。そのひとつは、浮遊容量を物理的に小さくするもので、回路を単一電子トランジスタ・センサーの近く、4.2Kに置く低温回路である。C-MOSのみから構成されている市販のオペアンプで入手が容易なものの低温動作を調べ、コンダクタンス計測回路としての帯域が広く、かつ雑音が低いものを見いだした。利得10^6V/A、動作帯域300kHz、雑音1pA/Hz^<1/2>以下(<300kHz)のコンダクタンス計測回路を実現できている。また第2は、実効的に浮遊容量を小さくするもので、同軸ケーブルの外側導体に信号電圧と同じ電圧をフィードバックするものである。動作帯域1MHz以上、利得10^6V/A、雑音1pA/Hz^<1/2>以下(<50kHz)のコンダクタンス計測回路を実現できている。また、走査顕微鏡のテスト試料として強誘電体単結晶を用意し走査顕微鏡動作の確認の準備を進めた。
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