2000 Fiscal Year Annual Research Report
文法と知識-ドイツ語研究を文法と知識のインターフェイスで捉えるための基礎的研究
Project/Area Number |
12410122
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福本 義憲 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90111351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保阪 靖人 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (30199468)
荻野 蔵平 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00134429)
岡本 順治 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (80169151)
重藤 実 東京大学, 大学院・人文科学研究科, 助教授 (80126078)
伏見 厚次郎 茨城大学, 人文学部, 教授 (80125799)
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Keywords | 認知文法 / ドイツ語 / 文法知識 / 中世ドイツ語 / 会話分析 / 生成文法 / コーパス言語学 / テキスト分析 |
Research Abstract |
本年度は,平成13年度以降の研究の基礎となる理論的、および物理的な整備を中心として、以下のことを行った。 1.コーパス分析のためのパソコン、ならびに中世ドイツ語等の特殊文字処理のためのOS(Unix,Unicode-OSの超漢字など)の購入。 2.言語データ(文字コーパス、会話コーパス等)の収集。 3.音声分析のためのソフトを購入。平成13年度からは具体的な利用に入る。 4.2000年8月2日(水)に都立大学において、第一回の研究会を開き、本研究の研究目的と今後の研究方針を確認。不変化詞を担当の幸田が「ドイツ語テキストの語彙的・統語的難易度の判定-基礎語彙リストとtree-tagger(品詞付与ソフト)の出力に基づいて」の発表を行う。この発表はPerlを使ったデータ処理によるテクストの語彙分析を扱ったものであり、複雑な構文の扱いについてさらに論議された。 5.理論的な整備については、岡本が認知意味論からのアプローチが本研究に大きな貢献をなしうることを示したが、分析対象の選定や理論的な統合については今後の研究にゆだねられた。また、分担者(生成文法)の保阪が語順が音声出力とのインターフェイスの問題の可能性を指摘している。生成文法に代表される文法知識とドイツ語のような固有言語の語順知識がどのようなインターフェイスで繋がれるのかが本研究の重要な課題の一つであることが認識された。 6.本年度3月(3月8日から3月26日まで)には、コーパス分析担当の中川がドイツのIDS(国立国語研究所)に出張し、IDS研究発表会に参加するとともに、文字コーパス検索研究・談話資料収集の可能性について、ドイツ語圏研究者との意見交換を行なう。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 荻野蔵平: "「お金」とGeld-外国語学習とメタファー"言語文化論叢-縄田鉄男教授退官記念論文集. 155-158 (2000)
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[Publications] 岡本順治: "認知言語学の潮流:背景と展開"ドイツ文学. 104. 1-17 (2000)
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[Publications] 岡本順治: "ドイツ語における限定詞を伴わないmit-付加詞の特性"『東西言語文化の類型論特別プロジェクト研究』研究成果報告書. III.Part II. 767-778 (2000)
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[Publications] 岡本順治: "ドイツ語における不変化詞動詞の統語的・意味的連続性"『東西言語文化の類型論特別プロジェクト研究』研究成果報告書. IV.Part II. 519-532 (2001)
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[Publications] 保阪靖人: "生成文法研究とドイツ語研究の温度差-Bierwisch/Wunderlichのアプローチ"ドイツ文学. 104. 30-41 (2000)
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[Publications] 赤瀬川史郎,保阪靖人: "言語分析ソフトTXTANAについて"ドイツ語情報処理研究会. 11. 47-58 (2000)
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[Publications] 保阪靖人: "定動詞第二位をどう捉えるか"言語. 29. 54-59 (2000)
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[Publications] Minoru Shigeto: "Kategorien und Wortarten in der traditionellen Grammatik"Kategorien der Sprachbeschreibung in der heutigen Linguistik des Deutschen.. 1. 3-11 (2001)
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[Publications] 石田基広: "言語政策と民族語-ヘブライ語とイディッシュ語の場合-"徳島大学言語文化研究. 8. 1-19 (2001)
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[Publications] 中川裕之: "es gibt存在構文の文構成"Sprache und Kultur. 32. 1-15 (2000)
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[Publications] 保阪靖人(共著): "デイリーコンサイス独和・和独辞典"三省堂. 1440 (2000)
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[Publications] 伏見厚次郎(共著): "デイリーコンサイス独和・和独辞典"三省堂. 1440 (2000)