ニュー・レイバーとイギリス憲法改革の総合的研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12420005
• Research Institution: Shimane University
• Principal Investigator: 松井 幸夫 島根大学, 法文学部, 教授 (30135892)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 江島 晶子 明治大学, 短期大学, 助教授 (40248985) ; 倉持 孝司 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (00153370) ; 元山 健 東邦大学, 理学部, 教授 (80116285) ; 榊原 秀訓 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (00196065) ; 小松 浩 三重短期大学, 法経科, 助教授 (40234877)
• Keywords: イギリス憲法 / ニュー・レイバー / 地方分権 / 議会改革 / 選挙制度改革 / 司法改革 / 行政改革 / 入権法

Research Abstract

2年目の本研究を効果的に進めるために、研究代表者を含む3人の世話人の連携を強めつつ、5月の全国学会の際に研究会(東京)、8月には3日間の合宿研究会(山口)、10月の全国学会時に研究会を開催し、本科研参加者の分担テーマを報告し、検討した。研究会では、地方分権、1998年人権法、貴族院改革、庶民院改革と選挙制度改革、北アイルランド問題、司法改革、行政改革、王制改革、情報公開法制、EU法イギリス、EUの軍事的統合とイギリスなどの問題などについて、最新の展開までも踏まえた報告と検討が行われた。とくに、昨年に引き続いて開催された夏期の合宿研究会は、共同研究を進展させる上で大きな意味をもった。
また、9月に山口大学で開催された第42回中四国法政学会においては、中四国に在住する本科研分担者6人が「イギリス、ニュー・レイバーの憲法改革」とのテーマで共同報告を行った。報告は、総論、地方分権、貴族院改革、庶民院改革、EU行政法、EU軍事法制について行われ、その概要は「山口大学経済論集」50巻1号に掲載した。
これら研究会・学会活動と並行して、6月に行われたイギリス総選挙に際して調査を行い、労働党、保守党、自民党、ウェールズ党の選挙運動と総選挙の実態を直接調査するとともに、イギリスの選挙制度の諸問題を検討した。その調査内容は、上記8月の合宿研究会において報告され、その概要は「三重法経」118号に掲載されている。
また、9月には、スコットランドを中心とする調査を行い、スコットランド政府、同議会、スコットランド国民党、同保守党へのインタビュー調査を行い、ロンドンではイギリス政府の内閣府への調査及びロンドン大学キングズカレッジのK.Ewing教授との意見交換を行った。この調査の内容は、10月学会時の研究会で報告され、本科研参加者の共通の財産となっている。
併せて、本科研最終年となる次年度に向けての課題の絞り込みや、その集約方法についても検討を進め、本年度までの研究成果をさらに発展させていく準備を進めることができた。

Research Products

• [Publications] 松井幸夫: "イギリス憲法改革の現段階-総論に代えて,地方分権の現段階"山口大学経済学論集. 50巻1号. 138-147 (2002)
• [Publications] 松井幸夫: "イギリス憲法の現代的展開と地域的分権"島大法学. 45巻4号. 33-78 (2002)
• [Publications] 元山 健: "歴史のせめぎ合いの中の『イギリス憲法改革』、2001年、55-59頁"法律時報. 73巻6号. 55-59 (2001)
• [Publications] 元山 健: "アイルランド憲法史研究序説-自由国憲法の制定-法学新報108巻3号、2001年、647-73頁"法学新報. 108巻3号. 647-673 (2001)
• [Publications] 元山 健: "イギリスの憲法改革、2001年、31-44頁"憲法理論研究会編憲法理論叢書『立憲主義とデモクラシー』. 9号. 31-44 (2001)
• [Publications] 江島 晶子: "人権保障におけるBills of Rightsの意義と役割-A Bill of Rightsとしての日本国憲法を評価する試みとして-"憲法理論研究会編憲法理論叢書『立憲主義とデモクラシー』. 9号. 45-58 (2001)
• [Publications] 太田 肇: "EU緊急対応部隊創設へむけて"山口経済学雑誌. 50巻1号. 161-166 (2002)
• [Publications] 小栗 実: "イングランド革命と立憲主義の生成-大臣責任制の観念の誕生"浦田賢治編『立憲主義・民主主義・平和主義』(三省堂). 130-155 (2001)
• [Publications] 小松 浩: "2001年イギリス総選挙見たまま感じたまま"法と民主主義. 360号. 62-65 (2001)
• [Publications] 小松 浩: "2001年イギリス総選挙視察調査報告(共著)"三重法経. 118号. 59-74 (2001)
• [Publications] 榊原 秀訓: "イギリス中央政府におけるNPM手法と行政の変容"行財政研究. 46号. 19-30 (2001)
• [Publications] 鈴木 眞澄: "ヨーロッパ公法の形成とイギリス憲法体制"山口経済学雑誌. 50巻1号. 156-161 (2002)
• [Publications] 藤田 達朗: "庶民院改革の動向"山口経済学雑誌. 50巻1号. 152-156 (2002)
• [Publications] 柳井 健一(編): "イギリス、ニュー・レイバーの憲法改革(第42回中四国法政学会公法部会共同報告)"山口経済学雑誌. 50巻1号. 137-165 (2002)
• [Publications] 柳井 健一: "貴族院改革の動向"山口経済学雑誌. 50巻1号. 147-152 (2002)
• [Publications] 倉持 孝司: "イギリスにおける市民的自由の法構造"日本評論社. 247 (2001)