2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢社会に対応した福祉・経済社会システムの設計と評価
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12430005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日野 秀逸 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20093453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 浩 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60275823)
尾崎 裕之 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (90281956)
関田 康慶 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20107113)
藤井 敦史 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60292190)
佐々木 伯朗 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10263550)
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Keywords | 福祉国家対策 / 医療生協 / 患者の権利 / 介護保険 / 地方財政 / NPO / ボランティア / 少子化 |
Research Abstract |
(1)引き続きスウェーデンを研究対象としつつ福祉国家から福祉社会あるいは福祉体制への概念転換を検討した。また、イギリス、イタリアにおける医療、福祉分野の協同組合セクターについて調査を行った。東北地方の保健・医療協同組合の福祉領域での事業展開を調査した。 (2)昨年度は介護保険導入後の東北地方における市町村の福祉財政について調査を行ったが、今年度は国民健康保険の財政問題の背景を明らかにするために、地域の医療、保険、福祉の変換について各種文献や統計資料を用いて調査した。国民健康保険の財政危機には、戦前に農山村の救済を目的に作られたこの保険が戦後になっても市町村を保険者とする体制を引き継いで皆保険化したために、サラリーマンの退職者が次々と国保に加入するという状況が生まれた、という事が関係している。また、介護保険が市町村を保険者とした理由は、それ以前に市町村中心主義が確立し、また財政状況から税ではなく保険方式に厚生省が転換せざるを得なかったことであることを解明した。 (3)シェア方程式体系の動学モデルの統計的推定法を用い、政策変数のシェア変数への長期的な効果を明らかにするため、様々な政策シュミレーションとを行った。また、国際会議での研究報告と討議を通じて、当該問題に関して新たな知見が得られた。 (4)本年度は、宮城県内(主として仙台市)で高齢者福祉に携わっているNPOに対して、アンケート調査並びにヒアリング調査(10団体程度)を行った。その結果、NPO法人化して介護保険の指定を取っている事業化傾向の強い団体と無償ボランティア中心でサークル的な団体とで、組織の性格が極めて異なることが明らかとなった。また、地域におけるネットワーク分析等でもコミュニティに根差しているとは言い難い現状が明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 照井伸彦: "Measuring Delayed and Long-run Effects of Pricing Decisions to Market Shares : A Bayesian Attraction Model Approach"Marketing Science Conference (Wiesbarden, Germany). No.57. (2001)
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[Publications] 関田康慶: "次世代地域医療・福祉情報システムの設計"医療とコンピュータ. Vol.12・No.7. 22-26 (2001)
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[Publications] 吉田浩: "社会保障の世代間格差"季刊 家計経済研究. 第51号. 30-39 (2001)
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[Publications] 吉田浩: "バリアフリーの経済的効果に関する実証分析"国土交通政策研究. 第3号. 98-111 (2001)
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[Publications] マイケル・ケーザー著, 日野秀逸訳: "ソ連・東欧の保険・医療;在モスクワ英国大使館勤務を経験した統計学者による客観的比較研究"本の泉社. 350 (2001)
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[Publications] 日野秀逸: "スウェーデン福祉国家の再生と協同組合の役割"日本生活協同組合連合会医療部会. 120 (2001)