2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12440068
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
永野 元彦 福井工業大学, 工学部, 教授 (00013384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小早川 恵三 福井工業大学, 工学部, 教授 (00031287)
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Keywords | 宇宙線 / 空気シャワー / 電子発光効率 / 超高エネルギー / 国際宇宙ステーション |
Research Abstract |
超高エネルギー宇宙線を観測する方法として、超高エネルギー宇宙線が大気中で作る空気シャワー中の電子が発する蛍光を、遠く離れた場所に設置した望遠鏡で観測する方法が実施されている。また観測有効面積をより大きくするため、国際宇宙ステーションに望遠鏡を設置し観測するEUSO計画が日、欧、米の共同研究として推進されている。これらの観測で宇宙線のエネルギーを決定するには、大気中での電子の発光効率が基本であるが、十分なデータは存在しなかった。本研究は大気を模したチェンバー内で、電子発光効率、発光時間の気圧依存性を測定し、これをもとに、種々の波長の線スペクトルに対する発光効率の密度、温度依存性を求めることを目的とする。 実験は、放射性同位元素^<90>Sr→^<90>Y→^<90>Zrのβ崩壊を利用して行った。N_2^+及びN_2の主な発光波長315,337,357,381,391,400nmを中心としたバンド幅10nmの干渉フィルターをとりつけた6波長領域で測定をおこなった。本測定中に乾燥空気中の値が従来の結果とかなり差があることが判明し、国際会議で発表したところ大きな反響があり、現在世界中で10グループ以上が測定を準備している。そのため乾燥空気中での再測定をおこない、前回の結果を確認し現在雑誌投稿用原稿がほぼ出来上がった。主な結果は以下のとおりである。 (1)バンド幅中にほぼ2本のラインが入っているので、それぞれの観測光子数と発光時間の気圧依存性から、二成分解析をおこない、12本のラインにつき発光効率及びその密度、温度依存関数のパラメータを決定した。 (2)宇宙線観測に必要な300-410nmでの発光光子数は1気圧、20℃の大気中で、1電子、1mあたり3.75±0.15である。この値はこれまで実験で使用されていた値より17%大きい。 (3)この結果を使うと、Fly's EyeやHiRes実験で決めた宇宙線のエネルギーは平均10%大きく見積もっている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Nagano: "Historical Review on Ultrahigh-energy Cosmic Ray Experiments"Journal of Physical Society, Japan. 70Suppl.B. 1-8 (2001)
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[Publications] K.Takeda, M.Nagano et al.: "Energy determination in the Akeno Giant Air Shower Array experiment"Astroparticle Physics. 19. 447-462 (2003)
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[Publications] M.Nagao, K.Kobayakawa, N.Sakaki, K.Ando: "Photon yields from nitrogen gas and dry air excited by electrons"Astroparticle Physics. (2003)
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[Publications] M.Nagano: "Ultrahigh-energy Cosmic Rays : Results from Akeno Giant Air Shower Array and 1km^2 Array"Proceedings of Riken Workshop on Extremely High Energy Cosmic Rays. (2003)
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[Publications] M.Nagano: "Recent Observational Results on Ultrahigh-energy Cosmic Rays"Proceedings of 28^<th> Symposium on Relativistic Astrophysics and Cosmology. (2003)