2002 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質コンクリートを用いて維持管理を少なくした水質浄化システムの開発
Project/Area Number |
12450179
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
水口 裕之 徳島大学, 工学部, 教授 (00035651)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 健悟 島根大学, 汽水域研究センター, 助教授 (40325246)
上田 隆雄 徳島大学, 工学部, 助教授 (20284309)
上月 康則 徳島大学, 工学研究科, 助教授 (60225373)
|
Keywords | 多孔質コンクリート / 水質浄化 / 食性生物 / ムラサキイガイ / マナマコ |
Research Abstract |
水質浄化機能を持つポーラスコンクリートを組み込んだ水辺の構造物の水質浄化機能を生物の働きによって継続させる方法について検討を行った。得られた結果は次のようである。 (1)ポーラスコンクリートを組み込んだ水質浄化試験プラントによる調査結果によると,設置後約2年で,10年前に建設した既設の直立岸壁と同じ程度種類数の「ムラサキイガイ」など食性生物が生息していることが確認された。肉食・堆積物食動物の種類数も同様の結果となっていた。また,生物の多様度指数も0.9程度となっており,1に近く出現生物の個体数に偏りが少なく,生態系として優れていることが分かった。 (2)水深を2種に変えた水質浄化プラントの底の部分の低質は,水深の深いものでは浮泥が堆積しており,水深の浅いものでは浮泥はほとんどなかった。これは,底付近のDOが水深の深いものでは季節によってことなり,8月には4〜2mg/lとなっており,貧酸素状態となり,冬場には生息が確認された浮泥を捕食する「マナマコ」の存在もほとんど確認できていない。一方,水深が浅い場合は,「マガキ」が多く生息しており,これによって浮泥が捕食されたと考えられる。 (3)室内実験の結果「ムラサキイガイ」は,水中の浮遊物質を餌とし,水質を浄化させることが確認できた。また,「マナマコ」や「マガキ」は,「ムラサキイガイ」の糞を食餌することが確認できた。 (4)以上のことから,ポーラスコンクリートを組み込んだ水辺構造物には,水質浄化の働きをする生物が生息でき,維持管理をほとんどしなくても生物の働きによって水質浄化機能が継続することが分かった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Olfa Khelifi: "Nutrients adsorption from seawater by new porous carrier made from zeolited flyash and slag"Marine Pollution Bulletin. Vol.45. 311-315 (2002)
-
[Publications] Kengo Kurata: "Influence of sea cucumber on sediment improvement in a closed aquatic environment"Ecovision monograph. (2002)
-
[Publications] Michio Kitano: "Effects of deposit feeder Stichopus japonicus on algal flourish and organic matter contents on bottom of enclosed sea"Marine Pollution Bulletin special issue for EMECS-2001. (2002)