2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本の古代土木技術(盛土構築技術)のルーツとその変遷
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12450194
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
鬼塚 克忠 佐賀大学, 理工学部, 教授 (20037948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐 暁武 低平地防災研究センター, 講師 (80315176)
菅谷 文則 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10275175)
西田 一彦 関西大学, 工学部, 教授 (20067581)
根上 武仁 佐賀大学, 理工学部, 助手 (30325592)
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Keywords | 土とん墓 / 締固の度 / N値 / 版築 / 盛土 |
Research Abstract |
○2000年5月11〜12日、江蘇省金壇市郊外、薛埠連山土とん墓2個の調査を海外共同研究者の南京博物院、張敏氏と行った。 調査内容は標準貫入試験N値と不撹乱(乱さない)試料採取であり、試料は浙江大学地盤工学研究室で地盤工学実験をで実施した。以下の安吉土とん墓についても同様である。その結果、土とん墓A:直径25m、高さ5m。N値7〜18。土とん墓B:直径25〜30m、高さ5m。N値6〜22。含水比20〜25%、湿潤密度1.8〜2.0g/cm^3、乾燥密度1.5〜1.7g/cm^3、間隙比0.62〜0.86。粒度分布は;れき2%以下、砂3%以下、シルト45〜60%、粘土40〜52%で、大部分はシルト・粘土からなる赤茶色の分類法CLに属する。室内試験で得られた最大乾燥密度に対する現場乾燥密度、すなわち締め固め度は深さ方向に平均すると93.0%であり、かなり高度な締め固め度である。死者を設置したと思われる石の床(赤ん坊の頭ほどの大きさの石を並べたもの)あたりのN値は他の深さに比べて若干大きめである。しかしながら、ボーリング調査だけで、掘削断面の観察ができなかったこともあり、版築状の断面はや締め固めは、確認できなかった。 ○2000年11月1〜3日、浙江省安吉、筆架山龍山墓群の土とん墓の調査を海外共同研究者の盛正崗氏、王明達氏らと行った。土とん墓は直径50×40m、高さ8mで約1/3は既に掘削されて断面が斜面状になっている。土とん墓頂上から垂直にトレンチを掘削して各断面ごとに乱さない試料採取、これとは別にボーリング調査と標準貫入試験を実施した。N値4〜34。含水比14〜23%、湿潤密度1.9〜2.1g/cm^3、乾燥密度1.6〜1.7g/cm^3、間隙比0.58〜0.73。深さ2.5〜5.0mにわたり版築の層が明確に現れており、砂、シルト、粘土の比率がほぼ等しく、他の層とはっきり異なっている。さらに深さ7.0〜7.5mは防水材料としての青白い粘土層が現れ、木棺の存在が推察される。この粘土層の締め固め度は99.4%であった。この特別な2層を除くと粒度分布は;れき0.5〜6%、砂10〜15%、シルト50〜58%、粘土22〜38%である。土とん墓を構成する全試料はCLに属する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鬼塚克忠,張敏,唐暁武: "中国・江南の土とん墓(どとんぼ)について"地盤工学会誌. 48-8. 20-22 (2000)
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[Publications] 陸江,鬼塚克忠,唐暁武,石田勝広: "中国古代建造物地盤の版築工事の土材料"第35回地盤工学研究発表会講演概要集. 381-382 (2000)
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[Publications] 甲斐大祐,陸江,唐暁武,鬼塚克忠: "中国江南の土とん墓の基本的な土質工学特性"平成12年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. A216-217