2002 Fiscal Year Annual Research Report
都市境界層における新しい乱流相似関数導出のための観測研究
Project/Area Number |
12450197
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神田 学 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90234161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 亮 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10302952)
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Keywords | 都市境界層 / 乱流輸送 / スカラー / 現地観測 / ウェーブレット解析 / 相似関数 |
Research Abstract |
建物群の密度・配置が大きい住宅街上の都市境界層において、計2年間にわたって運動量・熱・水蒸気・CO_2に関する詳細な乱流データを取得した。それをもとに運動量・熱・水蒸気・CO_2それぞれの乱流統計量(フラックス、分散、消散率)に関する相似関数を導き出し、それぞれの輸送メカニズムの違いを明らかにするため、時間周波数解析の一つであるウェーブレット解析を用いてその乱流構造や輸送形態について考察した。その結果、以下のことが明らかになった。1)ウェーブレット解析を行った結果、朝と昼では、乱流のスケール毎に各スカラーを輸送する特性が異なる。とくに朝方の不安定時は、大きなスケールの渦構造によって、熱に比べて水蒸気が効率的に輸送され、混合層上端からの乾燥空気の連行作用がこの現象の原因となっていると考えられる。2)スカラー間の相関係数を比較したところ、熱・水蒸気・CO_2の順で、輸送効率が落ちていく。ウェーブレット解析を用い輸送効率に寄与する渦スケールの特定を行った結果、サーマルやシアー不安定による組織渦が熱、水蒸気、CO_2それぞれの輸送を担っているが、これらの輸送イベントの各スカラーに対する効果は同一ではない。その原因として、熱がアクティブなスカラーであるのに対し、水蒸気、CO_2が受動的なスカラーであること、空間的な不均一性がこれらの差を助長していること、が理由として挙げられる。 またフラックス測定によって得られた都市域の蒸発効率や熱物理係数を地域気象モデルに導入し、モデルの予測精度や、大気境界層高さやスカラー物質濃度の日変動がどのように変化するかについて定量的な評価を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Kanda, R.Moriwaki, M.Roth, T.Oke: "Area-averaged sensible heat flux and a new method to determine zero-plane displacement length over an urban surface using scintillometry"Boundary-Layer Meteorology. 105. 177-193 (2002)
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[Publications] 森脇 亮, 神田 学: "都市接地層における放射・熱・水・CO_2フラックスの長期連続観測"水文・水資源学会誌. (印刷中).
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[Publications] 森脇 亮, 神田 学, 菅原広史: "都市接地層における熱・水蒸気・CO_2の乱流輸送効率の相似性"水文・水資源学会誌. (印刷中).
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[Publications] 河合 徹, 神田 学: "都市を対象とした3次元高精度・低計算負荷放射解析モデルの提案"土木学会水工学論文集. 47. 55-60 (2003)
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[Publications] 稲垣 厚至, 神田 学, マルコス・オリバー・レッツエル, ジークフリード・ラッシュ: "非一様加熱場に生じるエネルギーインバランス"土木学会水工学論文集. 47. 37-42 (2003)
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[Publications] 妹尾 泰史, 神田 学: "交通起源の大気汚染物質三次元移流拡散シミュレーション"土木学会水工学論文集. 47. 19-24 (2002)