2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450408
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金子 勝比古 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20128268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90188045)
平田 篤夫 崇城大学, 工学部, 教授 (20279376)
米田 哲朗 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00002056)
加藤 昌治 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10250474)
|
Keywords | 岩石破壊 / 不均質材料 / 制御破砕 / 破壊力学 / ダブルトーション試験 / 応力腐食 / 異方性 |
Research Abstract |
岩石の破砕機構とその最適制御法を明らかにするために,不均質材料中の亀裂進展に関する基礎的研究を実施した。今年度の研究成果を項目ごとにまとめると以下のようである。 (1)岩石微視構造と亀裂進展プロセスに関する実験的検討:亀裂の進展プロセスをその場観察可能な定変位ダブルトーション試験装置を試作するとともに,校正試験を実施し,設計通りの性能を確認した。次に,微視的亀裂分布の配向性を有する花崗岩を対象として,亀裂面法線方向と亀裂進行方向の異なる9条件(27供試体)において定変位ダブルトーション試験を実施した。その結果,亀裂速度 v と応力拡大係数Kとの間にはv=AK^n(ただし,nは応力腐食指数)の関係が成立するが,nとKの値には異方性が認められること,さらに,全ての結果の統計分析からlogA=-0.23n+2.94の関係が成立することが明かとなった。これは新しい知見であり,応力腐食指数と微視的不均一性との関係を示唆している。 (2)亀裂進展経路と微視構造との関係に関する実験的検討:定変位および定荷重ダブルトーション試験の供試体を用いて蛍光法実体顕微鏡観察,走査電子顕微鏡観察およびEPMA観察を行い,亀裂の進展方向・経路と鉱物結晶などの微視構造との関係を実験的に検討した。とくに,亀裂の進展方向・経路と鉱物結晶との関係の定量化にはEPMAが有効であることを確認した。 (3)不均質材料中の亀裂進展確率に関する理論的検討:以上の実験的研究の成果に基づいて,弾性率および強度が不均一な材料中に存在する亀裂に対して,亀裂先端領域の応力状態・エネルギー状態を理論的に解析し,不均質材料の亀裂進展条件の定式化を試みた。その結果,均質材料に対する定数評価が不可欠となったため,次年度は溶融石英および単結晶石英を用いた実験を追加することとした。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 金子勝比古 他: "鳥形山地域の応域的応力状態の推定"資源と素材. 116・7. 572-576 (2000)
-
[Publications] 喜多治之 他: "温度履歴にともなう砂岩の間隙構造の変化"資源と素材. 116・8. 656-662 (2000)
-
[Publications] 高橋弘 他: "実規模のディスクカッターを用いた岩石破砕に関する実験的研究"応用力学論文集. 3. 656-662 (2000)