2000 Fiscal Year Annual Research Report
蝸牛神経損傷による聴性脳幹反応の潜時・振幅変化とその相関関係の解析
Project/Area Number |
12470281
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
鈴木 重晴 弘前大学, 医学部, 教授 (30004708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋村 則人 弘前大学, 医学部, 助手 (40312491)
関谷 徹治 弘前大学, 医学部, 助教授 (70154656)
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Keywords | auditory nerve / brainstam auditory evoked potantials / nerve degeneration / nerve Degeneration |
Research Abstract |
蝸牛神経は脳神経外科手術や交通、労働事故などにおいて生じる外力によって損傷されることがある。このような外傷性蝸牛神経損傷による蝸牛神経変性は患者に多大の負担を強いる。このようなことから、外傷性蝸牛神経変性をいかにして防止するかという問題は重要な側面を有している。我々の研究の当面の目標は、蝸牛神経の圧迫損傷によって生じる聴性脳幹反応の変化について、波形の潜時および振幅の変化の相関関係を検討し、聴性脳幹反応の判定基準を明らかにすることである。我々は、これまでの多くの臨床経験から、手術操作による蝸牛神経損傷を予防するための聴性脳幹反応モニタリングにおいては、「潜時延長」にみならず、「振幅低下」にも留意しながら波形監視を行うことが重要であると考えてきた。しかし、そのような観点に基づく判定基準を確立するためには、潜時および振幅変化の相関関係と、その背景にある蝸牛神経損傷の病理学的所見を実験的に明らかにする必要がある。このために、本年度の研究は、我々が最近確立した「定量的蝸牛神経変性モデル」を用いて波形変化と病理学的変化との相関関係を検討することから始めた。我々の研究は最終的には、聴性脳幹反応などの術中モニタリングを用いて、術中の手術侵襲などによる蝸牛神経変性をいかに防止するかという点にあるが、これと共に、すでに生じた蝸牛神経損傷による蝸牛神経変性をいかにして防止するかという点も研究の視野内においている。本年度は、このような方向にも研究を展開させることができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] SEKIYA,T: "An in vivo quantifaile model of cochlear neuronal degeneration induced by central process injury"Experimental Neurology. 161. 490-502 (2000)
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[Publications] SEKIYA,T: "Cerebellopontine angle cisternal infurion of NGF・BONF, NT-3 : Their effects on cochlear neurons that are discemmented from the contral tract...."Acta Otolaryngol (Stockh). 120. 473-479 (2000)
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[Publications] SEKIYA,T.: "Effectiveness of preoperative administration of an NMDA antagonist to enhance cochlear neuron resistance to intraop...."J Neruosurg. 93. 90-98 (2000)
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[Publications] SEKIYA,T.: "Metage nednisdone anerioratas cochlear nure degeneration following mechanical injury"Hearing Research. 151. 125-132 (2001)