2000 Fiscal Year Annual Research Report
極めて安定した歯質接着システムと臨床応用に関する研究
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12470404
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30126263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
中林 宣男 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (30014020)
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Keywords | 樹脂含浸象牙質 / アセトンプライマー / 接着促進モノマー / AFM / ウエットボンディング / 光重合型レジン |
Research Abstract |
スミヤー層を除去した象牙質の状態変化を詳細に検討しモノマー拡散性を向上させ、樹脂含浸象牙質層内の樹脂含量を高め長期安定性を確保する事を目指し、歯にダメージを与えず可級的に薄い脱灰象牙質を生成させる表面処理剤と接着促進モノマーによる表面処理法を検討した。世界的に見るとスミヤー層除去に用いられている脱灰剤は10%程度の低濃度リン酸を使う傾向にある。 本年度は、3%リン酸水素カルシウムを溶解した10%のリン酸で、処理した湿潤脱灰象牙質のモノマー透過性が10%リン酸処理による脱灰象牙質より高くなる。牛象牙質を10秒間脱灰し、乾燥させずに5%4-METAアセトンプライマー塗布後4-META/MMA-TBBレジンを接着した。ミニダンベル型引張試験の結果、3%リン酸水素カルシウムを溶解した処理群では10%リン酸処理群に比べ有意に引張接着力が向上した。また、AFM観察の結果、脱灰象牙質層の状態を定量的に評価する方法が確立できた。EDTA(エチレンジアミン四酢酸塩)を用いると、脱灰象牙質が1μm程度と薄くできる事、ウエットボンディング法により脱灰象牙質のモノマー拡散性を高めることが確かめられた。今後,脱灰象牙質層に拡散したモノマーを確実に重合硬化させるため光重合型レジンを用いた系で長期安定性に優れた接着手法を検討する.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 戸井田哲也: "リン酸で前処理された湿潤歯質への4-META/MMA-TBBレジンの接着"歯科材料・器械. 51. 128-134 (2000)
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[Publications] 中林宣男: "象牙質に樹脂含侵象牙質を形成させるデンティンボンディング材"補綴臨床別冊 医歯薬出版株式会社. 76-79 (2000)
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[Publications] J Biomed.Mater.Res.,. 52. 24-29 (2000)
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[Publications] Sakai T,Morita S,Shinomiya K,Watanabe A,Nakabayashi N: "Prevention of fibrous layer formetion between bone and adhesive bone cement : In vivo evaluation of bone impregnation with 4-META/MMA-TBB cement"
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[Publications] 中林宣男,岩崎泰彦,渡辺昭彦: "人工エナメル質の創製と機能評価"生体材料工学研究所報告. 34. 9-13 (2000)
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[Publications] Nakabayashi N,Hiranuma K.: "Effect of etchant variation on wet and dry bonding primed with 4-META/aceton."Dental Materials. 16. 274-279 (2000)
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[Publications] Shinchi M.J,Soma K,Nakanayashi N,: "The effect of phosphoric acid concentration on resin tag length and bond strength of a photo-cured resin to acid-etched enamel."Dental Materials. 16. 324-329 (2000)