2001 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群の唾液腺障害とサイトカイン産生異常およびアポトーシスの関連
Project/Area Number |
12470430
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福田 博 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30001019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90239765)
小林 一三 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (70170305)
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
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Keywords | シェーグレン症候群 / サイトカイン |
Research Abstract |
申請者らは北海道大学歯学部附属病院口腔外科を受診し、シェーグレン症候群(SS)確実例および疑い例と診断された症例、さらに口腔乾燥を主訴に受診した口腔乾燥症症例の、全身的(末梢血中)および唾液腺内(唾液内)の各種サイトカインの産生の有無およびその程度を検索した。 その結果、健常者では末梢血中にも唾液中にも有意なサイトカインの産生が見られなかったが、SS確実例ではIL-8、IL-18などのある種のサイトカインの産生亢進を認めた。これは、いずれも末梢血中でのみみられたが、唾液中では、SS以外の口腔乾燥症でIL-8の産生亢進が見られた。また、唾液腺炎症例ではIL-4産生亢進がみられるなど、産生の認められたサイトカインでも、末梢血中のサイトカインと、唾液内のサイトカインは異なった種類のサイトカイン産生が見られた。更に、唾液腺炎でみられた唾液中IL-4産生亢進は、患側、健側でそれぞれ異なる値を示し、患側での亢進が見られた。口唇腺の病理組織学的検討と唾液腺造影による画像診断の相関では、より画像診断の結果と相関傾向が見られ、病理組織学的変化の見られる以前の病態を評価するマーカーとしての可能性も示唆された。 さらに症例と対象とするサイトカインを増やし、局所または全身的サイトカインの産生とその種類を確認すると共に、それらサイトカインと唾液腺のアポトーシスとの相関、唾液腺の病理組織学的変化との相関、画像診断学的所見との相関、Th1/Th2バランスを、総合的に比較検討を行う予定である。
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