2000 Fiscal Year Annual Research Report
物体・環境のモデリングおよび環境の表示におけるアフォーダンス概念の導入
Project/Area Number |
12480087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北橋 忠宏 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70029453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 順一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029456)
柴田 史久 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80314425)
馬場口 登 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30156541)
床井 浩平 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (70188746)
稲葉 晶子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10304049)
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Keywords | アフォーダンス / ルールベース / メディア工学 / 機能 / ヒューマンインタフェース / ナビゲーションシステム |
Research Abstract |
Gibsonの提唱によるアフォーダンス理論は,生態学的知覚論として,視覚論を端緒に視覚以外の知覚(聴覚・触覚・力覚など)に対しても展開されている。当初は,効用(アフォーダンス)を享受する対象の構造・属性が知覚において重要な役割を果たすという進化論に反する斬新な主張が含まれていた。しかし適用領域の拡張とともに,これが希薄になり,単に知覚系に関する進化論の肯定的な説明に傾斜している。しかし人工物に関する限り当初の枠組みの重要性を指摘できる。 代表者らはすでに,人工物への限定により,効用(機能)からそれを提供する事物の形状を導出する機構を,ルールベースに基づき,定量的規定に及ぶ体系化が可能になることを論じている。これはアフォーダンス理論に計算論的な枠組みを与える最初の試みであるとともに,仮想現実感やヒューマンインタフェースあるいはナビゲーションシステムを含むメディア工学において,実現すべき効用が与えられれば,その条件を満たす事物あるいは環境の外観を設計するシステムへの拡張可能性を示唆している。これらの技術のアフォーダンス理論から見た妥当性の検証も可能にするとも考えられ,これは次年度での検討課題である。 また一方では,知覚の本質に係わる認識に関する理論の展開によって,たとえば運動と力との関係に関し,従来のようにその概念あるいは存在自体に疑問を呈することなく力学体系を立てるのではなく,摩擦概念の導入がこれらの生態学的知覚(日常的実感)をよりよく説明できることを重要視すべきであることが指摘されている。このことからも,仮想現実感のシステム設計の際には,的確な日常的擬似知覚の再現性を高めるために,アフォーダンス理論における成果を考慮に入れることの重要性を示唆しており,検討課題としている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tadahiro Kitahashi: "Image Processing for Image Media"Proc.World Automation Congress Second International Forum on Multimedia & Image Processing. 1-7 (2000)
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[Publications] 床井浩平 他: "スキャンライン法による会話的CSG表示アルゴリズム"映像情報メディア学会誌. 54・7. 1061-1068 (2000)
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[Publications] 長谷川忍 他: "wwwにおける学習リソースの組織化とナビゲーション支援"電子情報通信学会論文誌. J83-D-l・6. 671-681 (2000)
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[Publications] 稲葉晶子 他: "学習理論に基づく協調学習グループ構成のための学習目的オントロジー"電子情報通信学会論文誌. J83-D-l・6. 569-579 (2000)
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[Publications] 伊藤淳子 他: "光線空間法に基づく視点および光源方向がともに任意の画像生成"電子情報通信学会技術研究報告. (2001)