2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12490022
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
光末 紀子 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (80031350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗像 惠 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (40135504)
曽根 ひろみ 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10179385)
須藤 健一 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10110082)
山崎 康仕 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (00200668)
三浦 伸夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (20219588)
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Keywords | 女性イメージ / 梅毒 / 売春 / 和算 / 女性政策 / 家事技術 / 家父長制 / エコフェミニズム |
Research Abstract |
今年度は、研究を分担する各人が「現代社会における文化的性差を支える価値観と諸規範を根底から問い直す」という共通テーマに対する研究成果を積み重ねる一方、数度にわたる研究会とそこでの活発な討論と情報交換を通じて、おのおのの研究成果を統合することが試みられた。 1 研究会については、第1回研究会はアメリカ・コロラド鉱業大学のロバート・フローデマン教授を招聘し、11月5日(月)に、"Corrosive Effects : Environmental Ethics, Eco-feminism, and the Metaphysics of Acid-mine Drainage"というテーマで報告いただいた。第2回研究会は2月19日(火)に開催され、研究分担者であるカリーム・ベナマルと土佐桂子がそれぞれ、"Theory of Abundance and Scarcity"、「ミャンマーにおけるトランスヴェスタイト--男装者(ヤウチャシャー)のジェンダー論」というテーマで研究報告を行った。いずれの研究会でも活発な討議が交わされ、共通テーマについての各研究分担者の認識・知識はいっそう深化した。 2 各研究領域における研究の進展を例示すれば、以下のようである。(1)光末は、18,19世紀のドイツで活躍した女性作家により作られた女性イメージの特色を解明した。今後は、同時代の男性作家によりつくられた女性イメージとの比較検討を試みる予定である。(2)曽根は、京都大学に所蔵されている梅毒関係の史料を分析し、「日本近世の梅毒観」としてまとめることができた。(3)宗像は、フロイトのセクシュアリティ論を再検討し、男根中心主義とされるフロイト理論に伏在する、女性的セクシュアリティの始原性の契機を探求した。 (4)従来、女性はまったく和算史研究の対象になってこなかったが、三浦は、農村部で多くの女性が和算を学んだことを見出すことができた。(5)阪野は、介護保険制度の創設が、連合政権という政党政治の影響を受けつつも、省庁主導型政策立案・決定過程の特徴と限界を色濃く示していたことを明らかにした。(6)土佐は、90年代のミャンマーの主要な雑誌に見られるジェンダー関係の記事を収集調査した。(7)塚原は、医学史、家事技術の観点からジェンダーと科学技術についての調査を展開した。(8)上野は、フランクフルト学派が近代家父長制をきびしく批判する一方で、家父長制的思考を全面的に斥けようとしないという両義的な姿勢をとっていることを確認した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 光末 紀子: "C・A・フィッシャー『グスタフの惑い』における変貌する女性イメージ"神戸大学ドイツ文学論集刊行会編『ドイツ文学論集』. 第29号. 1-23 (2001)
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[Publications] 三浦 伸夫: "数学は女性を美しくするか"『科学史フォーラム』. 第6号. 5-7 (2002)
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[Publications] 阪野 智一: "イギリスにおける政党組織の変容"神戸大学国際文化学部紀要『国際文化学研究』. 第16号. 15-56 (2001)
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[Publications] 土佐 桂子: "ミャンマーにおけるジェンダー観"ユネスコ・アジア文化ニュース. 第322号. 2-3 (2001)