2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12554039
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (50125712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 徳彦 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70215458)
福場 良之 広島女子大学, 生活科学科, 教授 (00165309)
井上 芳光 大阪国際女子大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
芝崎 学 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (00314526)
塩尻 智之 横浜市立大学, 理学部, 助手 (80275023)
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Keywords | 生理学的適応 / 計測技術 / 身体運動能力 / 体温調節能力 / 動的特性 / マイクロダイアリシス法 |
Research Abstract |
A)身体運動能力計測技術の体系化 本年度は,超音波ドップラー法による活動筋血流量の計測技術の体系化を実施した.特に、ステップ(一定強度)負荷運動テスト(膝伸展タイプのエルゴメーターによる,無酸素性作業閾値(AT)以下とAT以上の強度)を実施し,超音波ドップラー法による活動筋血流量の測定を行なった。運動の開始時における酸素摂取の変化(過渡的な応答)を測定し,その生理学的なメカニズムと制限因子を検討した(古賀、福場、塩尻). B)体温調節能力計測技術の体系化 本研究では、新開発のレーザードップラー式血流画像化装置(LDI)での皮膚血流量とレーザードップラー式血流計(LDF)、プレチスモグラフィ(PL)での皮膚血流量を暑熱下運動時に比較し、LDIの妥当性を検討した。その結果、LDIは測定部位で皮膚血流量の定量性が異なるものの、中等度の運動時においてもヒトの皮膚血流量を準定量的に測定できることが示唆された(井上)。 また、体温調節反応の動的特性を評価するために、スーツ内温度を20℃、35℃及び45℃と8分ごとに変化させると、皮膚温と前腕部皮膚血流量は温度変化に遅れをとり追従するような反応を示した。この方法により動的特性の評価が可能であると考えられる(近藤)。 さらに、汗腺機能を評価するための計測技術として、近年、ヒトの研究に応用されつつあるマイクロダイアリシス法と、発汗反応を測定する換気カプセル法を組み合わせた測定システムを構築した。本システムの有効性を検討するために、多濃度の発汗誘発剤であるアセチルコリン(ACh)を連続的にマイクロダイアリシスを介して、皮内に注入し、ACh濃度と発汗量の容量曲線を算出した。さらに、汗腺周囲のメカニズムを検討するため、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)拮抗薬であるネオスチグミンを用いて、汗腺周囲のAChEの役割について検討した。ネオスチグミン処置および非処置部における多濃度のACh投与に対する発汗量の容量曲線比較および水循環服を用いた体加温時の発汗反応比較から、AChEは発汗神経活動レベルの低い、すなわち少量のACh放出時には非常に高い影響力を示すが、発汗神経活動レベルが高くなるに伴い、その影響力は低下することが示された(芝崎).
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[Publications] 井上芳光 他: "高齢者における運動時の熱放散反応特性とスポーツウェア"繊維製品消費科学. 41・4. 396-402 (2000)
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[Publications] Shibasaki,M. 他: "Effect of local acetylcholine sterase inhibition on sweat ratein humans"Journal of Applied Physiology. 90・3. 757-762 (2001)