2002 Fiscal Year Annual Research Report
放電により生成する励起酸素で発振するヨウ素レーザーの開発と生体組織融合への応用
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12555019
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Research Institution | Anan College of Technology |
Principal Investigator |
藤井 洋郎 阿南工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00291980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 秀樹 徳島大学, 医学部付属病院, 教授 (90164235)
中村 雄一 阿南工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教授 (40259940)
伊丹 伸 阿南工業高等専門学校, 制御情報工学科, 講師 (60212982)
室 幹雄 川崎重工業(株), 光技術研究部(研究職), 課長
橋本 一郎 徳島大学, 医学部付属病院, 助手 (70314870)
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Keywords | ヨウ素レーザー / 励起酸素 / 放電励起 / 励起率 / E / N / 医療用レーザー / 生体組織融合 / 血管吻合 |
Research Abstract |
阿南高専では、昨年度製作した励起酸素発生器(DSOG-4)の性能試験と、生成した励起酸素を発振エネルギに効果的に利用するための発振器部改良を行い、mW出力の達成を目指した。徳島大学では、引き続きYAGレーザによる組織融合を用いた微小血管吻合実験を行った。 (1)励起酸素の生成では、理論モデルより求められる最適条件E/N=10^<-16>Vcm^2オーダの電界領域を作った中で、高い励起率(理論最大50%)を得るべく、13年度に引き続きDSOG-4を用いて実験を行った。プラズマ中への酸素混合をポイントに種々条件のもと実験を行ったが、出力取出しに必要な25%の壁をわずかながら突破できなかった。 (2)この励起率のもとで発振実験を行った。出力を得るためには励起酸素を効果的に発振に利用すること、即ちa.ヨウ素分子の解離に利用しない(外部放電エネルギで解離),b.発振の閾値を下げる(レーザガスの冷却),も重要な要因である。インジェクタの改良による12放電解離とLN2によるガス冷却を行いmW出力達成を試みたが、それぞれに効果は確認できたものの出力は得られなかった。 (3)アメリカ、ロシアの報告も現時点で励起率は16〜23%程度で、まだ発振したとの発表はない。本プロジェクトは今年度で終了するが、研究を継続し、来年度にも世界初の発振を達成したい。残された課題は励起率25%をクリアすることであり、現在改良型励起酸素発生器(DSOG-5)の設計に着手している。 (4)血管吻合では、前年度実施した腹部膜性組織による吻合部の補強について、抗張力を測定することにより評価した。レーザによる吻合部では吻合直後の抗張力は平均0.52Nであり、絶対的張力としては十分な強度と考えられた。また28週間の長期観察を行った結果、前年度実施した腹部膜性組織による補強部では、膜組織の変性、壊死、脱落は認められず、あらたな動脈瘤も発生しなかった。
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[Publications] Hiroo Fujii: "RF plasma jet generation of singlet delta oxygen in chilled and energy transfer modes for oxygen iodine laser"SPIE. (In press). (2003)
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[Publications] Ichiro Hashimoto: "The Features of Thrombus in a Mierovessel Injury Model and the Antithrombotic Efficeacy of Heparin, Urokinase, and Prostaglandin El"Plastic and Reconstructive Surgery. (In press). (2003)
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[Publications] Ichiro Hashimoto: "Angiostatic effects of corticosteroid on wound healing of the rabbir ear"The Journal of Medical Investigation. 49,1-2. 61-66 (2002)