2001 Fiscal Year Annual Research Report
ベタ雪豪雪地帯において雪下ろしを不要とする通気工法屋根の開発に関する研究
Project/Area Number |
12555166
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Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
深澤 大輔 新潟工科大学, 工学部, 教授 (40113401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 浩 (株)有沢製作所, 技術部・係長(研究職)
富永 禎秀 新潟工科大学, 工学部, 助教授 (00278079)
飯野 秋成 新潟工科大学, 工学部, 助教授 (80272706)
平井 正明 (株)有沢製作所, 技術部・研究員
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Keywords | 二重屋根 / 自然融雪 / ベタ雪地帯 / 気温 / 凝結熱 / エキスパンドメタル / 水抜き臨界角度 / 毛管現象 |
Research Abstract |
新潟県栃尾市原町にある車庫の屋上に平成13年8月並びに12月に実験装置を敷設し、それぞれ各種計測装置を設置し、夏季と冬季において計測を行った。 車庫は南北5.7m×東西6.0m、高さ約2.0mの鉄筋コンクリート製で、屋根はフラットである。これを南北に2分割、東西に3分割して、6区画とし、それぞれから融雪水などを計測出来るようにしてある。 夏季にはその約20cm上と95cmの位置に単管パイブを立体格子状に組み、南面する形で45°傾斜させ、スリットが南側には有り、北側には無い木板に砂付きルーフィングを巻いた融雪板を取り付け、計測した。 冬季にはスリットの無い融雪板をエキスパンドメタルに交換し、計測した。また、車庫の脇にある階段に20°傾斜させ、約50cmの空間を持つエキスパンドメタルと波板樹脂による2重屋根を架け、計測と観察を行った。 平成14年冬季は、2月16日に積雪が53cmに達したのが最高で、近年にない暖冬少雪年であった。 本年度の研究実績の成果と次年度への課題を整理すると以下の如くとなる。 (1)夏季と冬季に実験計測を行ったのは、装置が通年を通して利用可能になることを期待してのことであった。スリットの無い融雪板に散水することで、温水利用の可能性を見たが、開放型の場合、気化熱が奪われるなどのため、あまり良い結果が得られないことが判明した。従って、通年利用はこれ以上追求しないこととした。 (2)自然融雪の場合、気温と日射、通風、雨などによるエネルギーに期待するところが大きいが、更に空気中の水蒸気が結露する際に放出する凝結熱を利用するために、エキスパンドメタルを融雪板として使って見ることとした。 (3)降雪初期の場合、雪はエキスパンドメタルの編目から通過してしまうが、次第に金属部分に付着し、面全体を覆い、均一に積もるようになる。しかし、ノコギリ屋根形の場合、底面に若干の吹き溜まりが見られる。 (4)融雪板の角度は、45°と20°であるため、雪が降り積もるにつれてずり落ち、エキスパンドメタルに食い込み、垂れ下がる。この結果、雪底面の表面積は数倍に増加し熱を吸収し易い形状になる。 (5)降雪が止み暖気がやって来ると、先ず、その垂れ下がった雪が融け、次に、エクスパンドメタルの底面に融雪水が保水され、水が滴る状況が観察された。20°の屋根には全面に雪が積もり、通気が屋根面に抜けないため、融雪効率が悪かった。来年度は雪切り格子を50cm程度上に設けることでその改善を計っていきたい。
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[Publications] 深澤大輔: "ベタ雪豪雪地帯における通気融雪工法の開発に関する研究-I-生垣を覆う45°傾斜した雪囲いの積雪と融雪の時系列変動-"日本雪工学会誌. 16・4. 101-102 (2000)
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[Publications] 深澤大輔: "ベタ雪豪雪地帯における通気融雪工法の開発に関する研究-II-ドカ雪に伴う通気の閉塞過程の解明-"日本雪工学会誌. 17・4. 57-58 (2001)
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[Publications] 富永禎秀, 深澤大輔: "熱収支モデルに基づく自然融雪エネルギーの地域特性に関する研究"日本雪工学会上信越支部論文報告集. 1. 31-34 (2001)
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[Publications] 深澤大輔: "通気融雪工法に関する研究-隆雪から融雪出水に至る過程の解明-"日本雪工学会上信越支部論文報告集. 1. 35-38 (2001)
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[Publications] 深澤大輔: "ベタ雪豪雪地帯向けの通気融雪工法屋根の開発に関する研究-北陸四県における成立可能地域-"日本建築学会東北支部研究報告集. 45(発表予定). (2002)